プロダクト組織を率いるには、組織内での信頼を得ることが重要
横道氏はLINEやサイバーエージェントでプロダクトマネージャー、エンジニアリングマネージャー、エンジニア、アジャイルコーチ、人事といった、プロダクト制作に関わる多様な職種でリーダーシップを発揮した経験を持ち、現在はSaaS企業に対してプロダクト開発のコーチングやアドバイスを提供している。
セッションの冒頭で横道氏は、プロダクトリーダーシップにはAサイドとBサイドがあるとした。Aサイドは、顧客価値やビジネス活動に直結する仕事、例えばプロダクトビジョンの策定、戦略立案、顧客理解、問題探索や課題設定、提供価値の定義、要求定義などが該当する。一方、Bサイドは、Aサイドを支える過程で、組織内で必要になる仕事、上長や他部門、他職種との連携、調整、合意形成などを指す。
リーダーシップは、Aサイドの仕事とそれを支えるBサイドの両面が必要で、特にジュニアからミドルレベルの者が成長をする際に、Bサイドのスキルが重要となる。組織内での影響力や信頼が、成長の停滞や進展に影響を及ぼすのだ。本人が行動に見合った影響を与えられていない、あるいは評価されていないと感じる場合、それはBサイドの面で苦労しているサインだと考えられる。
プロダクトマネージャーは、十分な権威がない中でもリードする能力が求められ、上位の職種・役職の関係者に対しても納得、共感、信頼してもらい支援を得る必要があるため、Bサイドは重要となる。
合意形成のために必要な要素の一つに信頼がある。横道氏は、自身の経験を振り返り、信頼獲得に失敗した経験から、他者との関わり合いの中で、どのような問題があり、どう対処すればいいかの説明を始めた。