はじめに
競合他社に勝つためには、プロダクトを継続的に改良し、新しいオプションを追加して、プロダクトマーケットフィットを達成する必要があります。新しいソリューションを顧客に提供することで企業は価値を高め、既存ユーザーを維持しながら、新たに他のSaaSプラットフォームにいる顧客の関心をひくこともできます。
プロダクトロードマップを作成すれば、新プロダクトやアップデートで実現したいことの優先順位付けや見極めがしやすくなり、それを達成するためのタイムラインが浮かび上がります。
皆さんは、明確なゴールとプロダクトビジョンを持ってプロダクトロードマップを描いていることと思います。しかしながら、パワーユーザーまでは考慮できていないという方もいるのではないでしょうか。ぜひ次回、ロードマップを作成する際は、パワーユーザーに導いてもらいましょう。
パワーユーザーとは、プラットフォームにおいて、他のユーザーよりもより頻繁にプロダクトを利用している、より深い関わりを持っているユーザーのことを意味します。パワーユーザーは企業にとってもっとも価値のあるユーザーグループであることが多く、しっかりと理解することは重要となってきます。早速掘り下げて解説していきましょう。
- パワーユーザーとは
- パワーユーザーを特定する方法
- パワーユーザーカーブとは
- パワーユーザーの具体例
- パワーユーザーの分析をロードマップに役立てる方法
- パワーユーザーからのフィードバックを取り入れる際に気をつけるべきこと
- パワーユーザーが、さらに多くのパワーユーザーを生み出すことにつながる理由
パワーユーザーとは
一般的に、プロダクトのパワーユーザーとは、そのプロダクトにもっとも多く関わっているユーザーのことを指します。そして各企業は、パワーユーザーを定義するための独自の指標を設定しています。パワーユーザーの定義は、例えばプロジェクト管理ソフトウェアの会社では「毎日アプリにアクセスし、1日に何度も他のユーザーと交流しているユーザー」、メールマーケティングプラットフォームの場合には、「週に1、2回メッセージを送信するユーザー」といったものになるでしょう。
ただし注意していただきたいのは、パワーユーザーとは、単にログイン回数が多いユーザーというわけではないということです。パワーユーザーとは、エンゲージメント(プロダクトとユーザーとの結びつきの強さ)が高く、プロダクトのUSP(ユニーク・セリング・プロポジション=独自のセールスポイント)に魅了され、プロダクトを真のソリューションとして日常的に使用しているユーザーなのです。
パワーユーザーを意識してプラットフォームを設計・改善することは、優良顧客を維持するだけでなく、新規ユーザーを獲得する上でも有効です。パワーユーザーは、プロダクトを隅々まで知り尽くしています。パワーユーザーが重要視する機能が分かれば、優先事項や改善事項を定めやすくなります。