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フラーと立教大学大学院社会学研究科、データと主観的認識から分析したスマートフォン依存意識について共同研究

 フラーと立教大学大学院社会学研究科の木村忠正研究室は、共同研究の一環としてスマートフォンアプリ内の起動や利用に関するデータなどをもとに人々の生活行動およびインターネットの利用実態を分析し、「スマートフォン依存意識はどこからくるのか」について学術研究の視点から明らかにした。

 同研究の成果は、立教大学社会学部メディア社会学科の木村忠正教授が参加した「日本人の情報行動2020」(橋元良明編)や9月に開催された「2022年度社会情報学会(SSI)学会大会」にて発表されている。

  • スマートフォン依存意識はどこからくるのか。実利用ログデータと合わせた考察

 今回の研究では、立教大学大学院社会学研究科の木村忠正研究室で、フラーが提供するスマホアプリの起動や利用に関するデータを元にした実利用ログデータとアンケートによる主観的利用認識の双方に基づいたスマートフォン依存に関する分析を行っている。これは、「LDASU(Log Data Analysis of Smartphone Use)研究プロジェクト」と称したスマートフォンの実利用ログデータ分析による共同研究のひとつ。

 スマートフォンが日常生活に深く浸透している現代社会において、過度なスマートフォン利用などによる精神的健康への影響に関心が高まっている。このような社会的課題に対して、従来の情報行動研究では、アンケート調査による主観的利用認識、態度のデータに基づく分析が行われているが、スマートフォンの実利用ログデータと精神的健康との関係について、日本社会を対象とした調査はいまだほとんど見られない。

 そこで、同研究は「LDASU研究プロジェクト」の一環として、フラーが事前に承諾を得たAndroidスマートフォン利用者600人余りの153日間におよぶ実利用ログデータとWebアンケート調査の回答を組み合わせることで、スマートフォン依存意識が何によるのかを探索的に分析した。

 分析に使うデータでは、年齢、性別、生活満足感、実利用ログデータから作成される時間毎利用のパターンに加え、1週間ごとの起動総数パターンの効果などを組み合わせている。

 これに加え、スマートフォン依存意識調査への回答、主観的利用認識についての本人からの回答を合わせた分析によると、実利用ログデータに基づく利用状況と主観的利用意識の依存度には隔たりがあり、データよりも主観的利用認識がスマートフォン依存意識に強い関連を持つことが見えてきた。ただし、週次スマートフォン利用が恒常的にかなり高い集団では、依存意識が有意に高くなる傾向も見られている。

 9月に開催された「2022年度社会情報学会(SSI)学会大会」で発表された上記の内容は、木村忠正教授が参加した「日本人の情報行動」調査での議論を参考にしながら、同研究室がより深く研究を重ねたものとなる。

 「日本人の情報行動」調査は、橋元良明東京大学名誉教授を代表者として1995年から5年ごとに全国調査を実施し、日本人のメディア利用行動やコミュニケーション行動について詳細な利用実態を調査、メディア環境の変動を記録するものとなっている。木村教授のスマートフォン依存意識に関する分析は、「日本人の情報行動」の最新調査である2020年調査に基づきまとめられた書籍『日本人の情報行動2020』(橋元良明編)に収められている。

 総務省がまとめた「令和3年通信利用動向調査」によると、スマートフォンの急速な普及浸透により、2021年の国内における個人のスマートフォン保有状況が回答者の74.3%と前年の調査より5ポイント上回る状況となっている。

 日常のシーンに定着していくスマートフォンの実利用データである「モバイルライフログ」を分析することで、人々のインターネット利用の実態を把握するだけでなく、生活行動やライフスタイル、嗜好性などの社会の広範なありようを把握・可視化することができることに注目。フラーと立教大学大学院社会学研究科の木村忠正研究室は2017年から共同研究を開始した。

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