Figmaとは何か
Figmaは2011年頃、オンラインでデザインできるツールとして開発が始まりました。その後、2016年に公式にローンチし、ブラウザ上でリアルタイムに誰でもコラボレーションしながらデザインできるツールとして注目を浴びました。OSネイティブのアプリではなく、ブラウザで利用できるので、URLを共有すれば誰でもアクセスしやすいのが大きな特長の一つです。またデータがクラウドで管理されているので、最新データが一目瞭然であることも評価されている点といえます。
Figmaは「Make design accessible to all」というビジョンを掲げ、すべての人がデザインに関われるようにするためのプラットフォームとして製品を提供しています。
それまでのデザインツールでは、基本的にデザイナー一人ひとりがローカルファイル内で作業し、完成するまでは他のメンバーに共有せずに進めることが多くありました。それゆえに当初はFigmaの「誰でもアクセスしてコラボレーションできる」ことに否定的な意見もありました。しかし、この近年は社会や市場の不確実性が高い環境下に置かれており、特にデジタルプロダクトの開発では、調査・設計と、開発・リリースのサイクルを早く回すことが重要視されています。こうした環境では、ウォーターフォール的に各工程で完成したものを渡していくよりも、途中段階かつ早い段階でステークホルダーを巻き込んで「一緒にデザインする」ほうが効率的であるといえます。
Figmaははじめに「Figma」というUI設計を主としたデザインツールからはじまりましたが、2021年にオンラインホワイトボードツールである「FigJam」が登場しました。オンラインホワイトボードツールという言葉のとおり、オンライン上で同時にほぼ無限のキャンバス上でアイデアの発散や収束を実践できるツールです。
FigJamの登場により、開発工程における「デザイン・実装」のフェーズだけではなく、それ以前の工程である「リサーチ・分析・企画設計」といったフェーズまでカバーされるようになりました。
FigmaとFigJamの違いについて解説します。