はじめに
突然ですが、プロダクトマネジメントを行う中でこのようなお悩みはありませんか?
- 試行錯誤してプロダクトビジョンを立てたはいいが、作って終わりになっている
- プロダクトビジョンが普段の業務に生かされている感じがしない
- プロダクト開発メンバーがプロダクトビジョンを覚えていないように感じる
プロダクトマネージャーにとって、プロダクトビジョンの策定と浸透は重要な役割だと認知されている一方で、どのように策定し、メンバーに浸透させるのかといった知見はあまり広まっていません。特に、経験年数が少ないプロダクトマネージャーや自社内でプロダクトマネジメントのノウハウが展開されていない組織などから、こうしたお悩みを多く聞きます。
本記事では、プロダクトビジョンの意義に加え、作って終わりになりにくい・普段の業務に生かされやすい・メンバーが覚えやすい、すなわち「自分ごと化」しやすいプロダクトビジョンの具体的な策定手順の例を紹介します。
プロダクトビジョンの意義
そもそもプロダクトビジョンを掲げることに、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なものは、以下3点です。
1.プロダクトマネージャーの意思決定の判断基準に使うことができ、メンバーの納得度を高める
多くのプロダクトマネージャーにとって、「企画の優先順位づけ」は日々の悩みの種の一つです。プロダクトビジョンは、優先順位や企画の詳細な仕様の意思決定に役立ちます。判断基準が明確になることで、チームメンバーの納得度を高めることもできます。
2.企画やKPIを立てやすくする
プロダクトビジョンを達成するために、「何をすべきか」「どんな指標を置くべきか」と検討することで、企画やKPIを立てることができます。プロダクトが向かう先をチームや社内の関係者に示すことで、企画を効率的に進められます。
3.メンバーのモチベーションにつながる
プロダクト開発の現場において、チームメンバーのモチベーションは非常に重要です。そして、「目の前のタスクに対してどれだけ意義を感じているか」が、モチベーションを大きく左右します。プロダクトビジョンは、なぜ日々働いているかの一つの指標になるでしょう。
他にもプロダクトビジョンのメリットはたくさんありますが、今回は代表的なものを3つ挙げてみました。すべてに共通しているのは「プロダクトマネージャー個人のためではない」ことです。そのため、いかにチームメンバーが腹落ちし、プロダクトビジョンを自分ごと化できるかが大切です。
今回は、チームメンバーがプロダクトビジョンを自分ごと化しやすくなるアプローチの一つとして、メンバーがプロダクトビジョンの策定プロセスに参加するワークを紹介します。ぜひチームでプロダクトビジョンを立てる時の参考にしてみてください。