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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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ProductZineイベントレポート

プロダクトマネージャー育成のためにチームの中心に据えるべき7つの「シコウ」とは? エムスリーのPM山崎氏が解説

 プロダクトマネージャーの必要性や認知度が高まる一方で、転職市場において企業が期待する人物像やスキルセットとのギャップが大きいとされている。ProductZineは2月24日に、医療系ITの分野で存在感を示すエムスリー株式会社の執行役員VPoE兼プロダクトマネージャーである山崎聡氏を招き、プロダクトマネージャーの育成に関するウェビナーを開催。同社でのプロダクトマネージャー育成の取り組みや心構えなどについて、山崎氏が重視している「7つのシコウ」を軸に解説した。

経営陣がプロダクトマネージャーに期待する理由

エムスリー株式会社 執行役員 VPoE/PdM/CDO 山崎聡氏
エムスリー株式会社 執行役員 VPoE/PdM/CDO 山崎聡氏

 29万人以上医師が登録する医療従事者専用サイト「m3.com」などを提供するエムスリー。もともとエンジニアだった山崎氏は、執行役員でありながら、プロダクトマネージャーやチーフデザインオフィサー、QA の責任者を兼任している。

 同社のミッションは「インターネットを活用し、 健康で楽しく長生きする人を一人でも増やし、不必要な医療コストを一円でも減らすこと」。およそ470名のメンバーでこのミッションに取り組んでいる。2000年創業から毎年増収増益しており、2020年は、COVID-19によるパンデミックの影響もあり、m3.com のアクセス数は前年比1.5倍以上に増えた。また製薬企業と医師へのコンタクトをデジタル化する事業も前年比2.5倍以上と急速に進展しており、医療現場を支える情報インフラ提供企業としての存在感を示している。

 企業紹介のあと山崎氏は、「コロナ禍における医療業界の課題を解決していかなければならないと感じています。その中でプロダクトマネージャーの採用と育成がより重要となっています。今回は弊社のチャレンジについて共有したいと考えています」と講演の趣旨を述べた。加えて、プロダクトマネージャー育成するために重視している「プロダクトシコウ」という言葉を掲げた。

 「シコウという言葉には複数の意味があり、プロダクトマネージャー育成においては、この7つのシコウが重要だと考えています」(山崎氏)

プロダクトマネージャー育成における「7つのシコウ(1.思考 、2.指向、3.志向、4.試行、5.施行、6.嗜好、7.至高)」
プロダクトマネージャー育成における「7つのシコウ(1.思考 、2.指向、3.志向、4.試行、5.施行、6.嗜好、7.至高)」

 7つのシコウの説明の前に山崎氏は、今回の登壇のきっかけとなった、ProductZineチーフキュレーターであるレッドジャーニーの市谷聡啓氏との対談記事を紹介した。ここでは、プロダクトマネジメントにおいて陥りがちな失敗や、正しいアジャイル開発についての意見交換がなされた。

 対談を振り返って山崎氏は「プロダクトマネージャーがアジャイルを使いこなさなければいけない理由や、とにかく早く作ることが重要な理由、同時にプロダクトマネージャーが経営陣から期待されている理由をお話しました。特に経営陣の期待に応えるために、『半分の期間で、小さなものを作る』ことが重要です。この認識がプロダクトマネージャー育成においても重要なポイントとなります」と語った。経営者や事業責任者は、事業やプロダクトを成功させるために優れたプロダクトマネージャーを求めているのだ。

 IT企業の経営にとってプロダクトは差別化要因となるため重要だ。経営を左右するプロダクト開発の生産性やプロダクトチームの存続はプロダクトマネージャーの力に大きく依存する。レベルの高いエンジニア、デザイナー、QA担当者たちが自ら満足するだけではなく、「会社や業界、ユーザーのために貢献しよう」といった気持ちで、楽しく仕事ができる環境を作れるかは、プロダクトマネージャーの手腕にかかっている。

 山崎氏は、プロダクト開発における生産性の勝利の方程式は、「プロダクトを発見する生産性」×「プロダクトを開発する生産性」であるとし、「トップレベルのプロダクトマネージャーとボトムレベルではそれぞれ10倍くらい差があるでしょう。したがって、経営における最終的な生産性は100番もの差になると考えています。ですから弊社のプロダクトマネージャーは事業責任者とともに二人三脚で課題を特定し、その解決策をプロダクトとして実現していくという特徴があります」と説明した。

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PMはどう育成する? 個人の特性に応じて、実践を重視した教育

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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