日本CTO協会は、「大手事業会社向け DX Criteria」を12月19日に公開した。
日本CTO協会では、CTOやCTO経験者が集まるコミュニティ、ワーキンググループの活動を行っている。「大手事業会社向け DX Criteria」は、経験豊富な事業会社や金融機関がDXの道を進む際の羅針盤として、企業内でデジタル化推進を進めているパーソルホールディングス、三菱UFJ銀行、LIXILによる協力のもと策定された。3社の共通課題や取り組みを吸い上げ、より「デジタル化を推進しやすくする」ために初級編・中級編で構成されている。
VUCA時代と言われる中、「大手事業会社向け DX Criteria」は経営視点と技術視点のギャップを埋め、統一された目標に向かうための方向性を提供する。さらに、業務現場と外部ベンダー間のゴールの違いを最小限に抑えるための架け橋としての役割を果たすことも目的としている。
日本CTO協会の持つケイパビリティによって歴史ある国内の事業会社が新たな時代のリーダーシップを築くための支援を目指しながら、2つのDXの推進を後押しし、日本経済発展の一助となるべく取り組んでいく。
「大手事業会社向け DX Criteria」の特徴は以下の通り。
初級編
- DXのための基盤の位置付け
- 技術にとどまらず、「チーム」「システム」「データ駆動」「デザイン思考」「コーポレート」の5つのテーマより最初に何から始めるべきかを記載している
- 特に全社員が閲覧可能な状態でのコミュニケーションの割合を増やすことに重きを置く
- 大手事業会社で「DX Criteria」の導入は必要ない、まだ導入するつもりがないと考える企業でも導入可能な項目を中心に記載している
中級編
- 「内製化チームがある」もしくは「内製化チームを持つ準備ができている」状態になるための基盤づくりという位置付け
- サービス・プロダクトの成果物責任を自社で持ち、開発スピードが出せる状態を目指すための項目を記載している
- 特に何十年と続いた制度や文化の変革に向けて人事制度の改革に重きを置く
「DX Criteria」(DX基準)は、日本CTO協会が監修・編纂している企業のデジタル化とソフトウェア活用のためのガイドライン。この基準は、デジタル技術を企業が活用するために必要な要素を多角的かつ具体的に体系化している。ソフトウェアエンジニアリング組織の健全な成長・経営目標の可視化・パートナーとのコミュニケーションなどに使われることを目的に作成されている。実践的で具体的な項目で構成されているため、定期的に最新動向にあわせて日本CTO協会のワーキンググループ内で議論を行いながら適宜アップデートしている。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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