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ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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「RESEARCH Conference 2024」レポート

小さく始めて全社を巻き込む、「ママリ」にユーザーリサーチ文化を浸透させた3つの取り組み

「RESEARCH Conference 2024」レポート


 リサーチをテーマとしたカンファレンス「RESEARCH Conference 2024」が2024年5月に開催された。ProductZineでは、妊活・プレママ・ママ向けのSNSや情報サイト、Q&Aアプリからなる子育てコミュニティブランド「ママリ」を展開するコネヒト社の吉岡詩織氏のセッション「示唆の深さ・多さの二兎を追うユーザーリサーチ文化を作った3つの取り組み」に注目した。ユーザーリサーチの不足に悩んでいた吉岡氏は、仲間とともにその問題に挑み、全社に共有しプロダクト改善に活用する取り組みを実現した。

インサイトの数と質、そして活用の機会が不足していた

 吉岡氏はママリのプロダクトマネージャーだ。ママリでは、プロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニアがそれぞれ明確に縦割りで役割分担されているわけではなく、リサーチの企画から実行、分析に至るまで、みんなで協力しながら取り組んでいる。

 ママリは妊娠、出産、子育てに向き合う方々のためのプロダクトだが、吉岡氏自身は妊娠・出産・子育ては未経験。そのため、リサーチによってユーザーへの価値提供の確度が上がると考えている。ユーザーとの対話を増やし、ユーザーよりもユーザーを理解することを重視している。また、プロダクトマネージャーとして、開発者やデザイナーなど、さまざまなステークホルダーを巻き込む役割を持っている点も大事にしている。

 吉岡氏は「ユーザーを理解しているプロダクトマネージャーが信頼されることで、プロダクトチームでの意思決定も進めやすくなる。だからこそ、私はユーザーリサーチを大事にしています」と述べた。

ママリのユーザーリサーチに関わるメンバーのイメージ
ママリのユーザーリサーチに関わるメンバーのイメージ

 ママリは直近半年でユーザーリサーチの方法を変えた。2023年11月ごろまでは、吉岡氏が仮説を思いついたときに企画して実行するという形で、2~3か月に1回程度の頻度でリサーチを行っていた。

 あるとき、プロダクトマネジメントコーチの森氏と知り合い、「プロダクトビジョンを見直すべきか悩んでいます。また、プロダクトの目標数値をどのように設定すべきか迷っています」と相談したところ、ユーザーとの対話の頻度が少ないとの指摘を受ける。森氏は、オンラインのインタビューだけでなく、子育ての現場で何が起きているかを見に行くことを推奨した。そして吉岡氏は、もっと探索的にそして多く深くユーザーのことを知りたいと思うようになる。

 ユーザーリサーチについて改めて検討すると、3つの課題が見つかった。まず、ユーザーのインサイトを見つける上で「示唆の多さ」が大事だが、リサーチの頻度が低く、ユーザーやインサイトの引き出しが少ない上に、仮説検証のリードタイムも長いことが分かった。また、オンラインでしか接点を持てず、妊娠や育児といったリアルな生活に踏み込めていないため「示唆の深さ」も問題だった。さらに、多くの示唆を得られたとしても、当時はそれがチーム内に閉じてしまっており「示唆の活用」も不十分だった。

ユーザーリサーチに関する3つの課題
ユーザーリサーチに関する3つの課題

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ユーザーインタビューが大好きなメンバーによって課題を解消

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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