プロダクトロードマップを「作る時」のポイント
1.前提情報を整理する
プロダクトロードマップを作成する際は本編に入る前に、その内容を導き出した前提情報を整理することが重要です。これがないと「なぜその開発方向性になったのか?」という過程がブラックボックス化してしまいます。
DIGGLEでは、一般的な3C分析(Customer、Competitor、Company)をベースに、以下のような観点で整理しています。
- Customer(市場・顧客):市場状況や直近の顧客ニーズ(商談時、導入企業両側)での温度感の変化
- Competitor(競合):競合の機能強化内容や直近でのコンペでの勝因、敗因についての深掘り
- Company(自社):事業計画に対する各種指標の状況、自社の既存機能の利用状況やサクセス、チャーンに起因している機能や運用要因、技術的負債の状況
これらの観点がプロダクトロードマップに影響するウェイトは、ビジネスモデルや市場の状況によって変わってきます。例えば、黎明期的な市場であればCustomerの影響が大きくなりますし、競合との競争が顕在化している状況ではCompetitorの比重が高まるでしょう。
また、これらの情報をどの程度まで深掘りして説明するかは、プロダクトロードマップが使われる場の参加者のレベル感によって調整が必要です。例えば、四半期の全社キックオフで広くプロダクトロードマップを共有する場合は、現場のメンバーがプロダクトロードマップを見てピンとくるよう、前提共有のドキュメントを厚めに書くことをお勧めします。
2.専門用語の使用に注意する
プロダクトマネジメント特有の用語(プロダクトイニシアチブ、デリバリー、ディスカバリーなど)の使用には注意が必要です。特にプロダクト開発以外のチームをターゲットとする場合は、これらの用語を安易に使うと「けむに巻く」という印象を与えかねません。
プロダクトマネージャーにとっては一般的な用語であっても、全社的な理解がなされているケースはかなり少数です。どうしても専門用語を使う必要がある場合は、プロダクトロードマップの冒頭や末尾に用語の定義を明記しましょう。
実践例としてDIGGLEでは、用語定義表とプロダクトロードマップの読み方を一枚のスライドにまとめ、プロダクトロードマップ本編の説明前に読み合わせを行うことで、内容の理解を促進することができています。