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ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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新人プロダクトマネージャーのためのユーザーリサーチ入門

はじめての「顧客理解インタビュー」で、これだけは押さえたい3つのポイント(分析・意思決定編)

新人プロダクトマネージャーのためのユーザーリサーチ入門 第6回

 顧客理解インタビューの「企画・準備編」「実践編」に続き、今回は「分析・意思決定編」です。インタビュー中に、観察者はどのような点に留意して話を聴くべきなのか、またインタビューで気づいたことをどのようにチームでまとめるのがよいかについて解説します。はじめての顧客理解インタビューで「分析・意思決定」を効果的に行うことは難しいかもしれませんが、考え方の一助になれば幸いです。

ポイント1:「気づき」を「意思決定」につなげるまでのプロセスを共有する

 インタビューから得られたこと、各自が気づいたことをチームの意思決定につなげるには、インタビュー直後の「振り返り」が重要です。その際、各自がインタビュー中に気づいたことをメモし、それぞれ発表するという方法ではあまり効果的な示唆が得られないでしょう。振り返りの効果を高めるには、インタビュー中やインタビュー後に「自分たちが何をするのか」、そこから「どのように意思決定につなげるのか」を事前に計画し、チームで共有しておくことが大切です。

 なお、意思決定のプロセスは、商品・サービスの違いや会社の状況によって大きく異なるため、今回はインタビュー直後の「振り返り」を効果的に行うにはどのような点に留意すればよいかについて見ていきたいと思います。

 振り返りの方法は1つではありませんが、共通して重要なのは、各自が「気づいたこと」から「本質的な価値の発見」や「解決策」につなげることです。言葉にするのは簡単ですが、実際に「本質的な価値の発見」をすることは簡単ではありません。ではどうすればよいのでしょうか。考え方のコツとして、気づきからダイレクトに価値や解決策に結び付けるのではなく、いったん「なりたい姿、目指したい状況」や「それを阻害する要因」などを間にはさんで考えることで、「解決策・価値の発見」につなげやすくなります。

図1:気づいたことから解決策への転換
図1:気づいたことから解決策への転換

 また、「振り返り」という短い時間内に意見をまとめるには、意見の出し方も決めておく必要があります。私たちが社内で振り返りをする際には、時間を60分などと区切って、前半30分は個人で意見を出し、後半30分でグループワークをします。その際に、どのように意見を出すかのフレームを定めておくと、スムーズに進めることができます。

図2:振り返りのフレームワーク例
図2:振り返りのフレームワーク例

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ポイント2:インタビュー中の役割分担を明確にする

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この記事の著者

平野 美和(株式会社ユニークルーパー)(ヒラノ ミワ)

株式会社ユニークルーパー 代表。Googleの「デザインスプリント」に精通し、プロダクト開発のリサーチを体系化する「DSR(デザインスプリントリサーチ)」を自社開発。リサーチはプロダクト開発のインプット情報と位置づけ、プロダクトマネージャーと並走するリサーチャーを自負する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/3061 2024/11/29 13:00

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