KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルが日本を含む23の国や地域にて実施した、ブランドの顧客体験に関する調査「Customer Experience Excellence 調査(CEE調査)」をもとに、日本の企業およびブランドの顧客体験に関する調査の結果と、顧客体験の構築・向上において重要な要素やトレンドの変化などをまとめたレポート「2024年 生活者に支持される顧客体験に関する調査」を、12月23日に発行した。
同レポートは、KPMGが15年間にわたってブランド調査を実施する中で定義した、優れた顧客体験を構成する「パーソナライズ」「誠実性」「親密性」「期待の充足」「利便性」「問題解決力」で構成される「Six Pillars(優れた顧客体験を構成する6つの要素)」のほか、「バリュー(価格に見合った価値)」「推奨度」「ロイヤルティ(今後も使い続けるか)」「各タッチポイントチャネルの満足度」などについて評価し、「CEEスコア」として集計している。
同レポートによれば、2024年の日本における調査対象ブランドの平均CEEスコアは、前回比マイナス0.08ポイントの6.79だった。Six Pillarsのすべての要素において、CEEスコアが前回よりも低下しており、とりわけ「パーソナライズ」「問題解決力」「誠実性」の低下が顕著となっている。CEEスコアの全体的な低下には、顧客体験における生活者のニーズや期待と、実際に企業・ブランドが提供するサービスとの間でギャップが生じたことが影響したと考えられる。
Six Pillarsのうち、過去4年間でもっとも重要度が高いと評価されたのは「パーソナライズ」であり、2021年からの3年間に「誠実性」と「親密性」の重要度が増し、今回の調査でもそれぞれ順位を維持している。一方、「利便性」と「問題解決力」は、他の要素と比較して重要度が低く評価されていることが明らかになった。
今回の調査での日本のトップ10ブランドには、非日常を演出するエンターテインメントリゾートや、ブランドのフィロソフィーを体現し続けるスポーツブランド、高級感を味わえるラグジュアリーホテルなどが並んでいる。そのうち半数は前回の調査も10位以内にランクインしているほか、残りのブランドも前回の調査で比較的上位にランクインしていた。
CEEスコア上位10のブランドと11位以下のブランドのSix Pillarsの平均CEEスコアにおいて、もっとも差が大きいのは「期待の充足」で、「CEEスコアにおける重要度」が高いと評価された「パーソナライズ」「親密性」「誠実性」が続いている。
業界別でみると、今回の調査でもっとも高い評価を得たのは「自動車」で、前回の2位から順位を上げて1位を獲得した。以下「娯楽・レジャー」(昨年は1位)、「小売(食品以外)」(昨年は3位)が続いている。「物流」は昨年の6位から順位を大きく下げて、9位にランクインした。「自動車」「娯楽・レジャー」「小売(食品以外)」の上位3業界は、Six Pillarsの全要素でのスコアが平均より高く、「自動車」は特に「問題解決力」「親密性」、「娯楽・レジャー」は「パーソナライズ」「親密性」、「小売(食品以外)」は「パーソナライズ」「期待の充足」の評価が高い。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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