熱狂的ユーザーとの出会いがもたらした確信
約半年間の開発期間を経て、2024年7月、モノグサマーケットのクローズドβ版を一部の顧客に向けてリリースしました。

その直後、教材を購入してくれた高校生にインタビューする機会がありました。訪れたのはある高校の校舎。迎えてくれたのは、ニコニコと明るく話す女子生徒でした。
開口一番、彼女はこう言ってくれました。
「Monoxerで教材が買えるって聞いて、すぐ買いました!」
彼女は大学進学を目指す高校3年生。塾にも通っており、そこで使っている英単語集のMonoxer版を購入したとのことでした。
特に印象的だったのは、「満員電車の中で紙の単語帳を広げるのは大変だから、スマホで勉強できるのが本当に助かっている」という言葉。そして購入費用は、自身のアルバイトで稼いだお金。貴重な収入を、私たちのサービスに使ってくれていることに、心から感動しました。
さらに驚きのエピソードも。なんと彼女は、同級生にもMonoxerマーケットを紹介してくれており、すでに5人が教材を購入していたのです。
これは、私たちが構想してきたtoCサービスが、「実際に学習者の課題を解決している」と確信できた瞬間でした。従来のBtoBモデルでは届かなかった価値が、toCなら実現できる──その手応えを強く感じました。
初期施策の壁:ツールチップからの遷移率1.07%
一方で、すべてが順風満帆というわけではありませんでした。
私たちはリリースと同時に、ユーザーに新サービスの存在を知らせる「ツールチップ」をアプリ内に実装しました。新機能のリリースを気づいてもらい、そこからスムーズにモノグサマーケットに遷移してくれることを期待していたのです。
ところが──ふたを開けてみると、ツールチップ表示から3分以内にマーケットへ遷移したユーザーは、わずか1.07%。この数値は、プロジェクトに携わった私たちにとって大きなショックでした。
企画としての方向性には手応えがある。でも、それだけではユーザーに届かない。
「企画が正しくても、それを伝える設計が不十分なら、価値は届かない」
この現実を突きつけられた瞬間でもありました。