Engineerforceは、従業員500名以上の大手企業において、現在新規事業の企画・検討に携わっている人を対象に実施した、大手企業における新規事業企画の検証実態に関する調査の結果を11月28日に発表した。同調査は、10月15日〜16日の期間に行われ、110名から有効回答を得ている。
調査対象者に、自社で立案した新規事業企画の妥当性に不安を感じることがあるかを尋ねたところ、「非常に感じる」(41.8%)と「やや感じる」(53.7%)を合わせると、95.5%が不安を感じている結果となった。

自社で立案した新規事業企画の妥当性に、不安を「非常に感じる」または「やや感じる」と答えた人に、企画の妥当性に不安を感じる理由を尋ねた質問(複数回答)では、「企画段階での検証が不十分だと感じるから」(61.9%)がもっとも多く、以下「ユーザーニーズを正確に把握できているか不明だから」(52.4%)、「客観的な評価基準が設定できていないから」(48.6%)が続いている。

自身の勤務する会社では、新規事業企画の検証をどのように行っているかを尋ねたところ(複数回答)、「社内の関連部署(開発・営業など)によるレビュー」(60.0%)が最多となり、「外部コンサルタントによる評価」(55.5%)、「社内の経営層によるレビュー」(50.9%)がそれに続いた。

検証を行っていると回答した人に、新規事業企画の検証に通常かかる期間を尋ねたところ、「1か月未満」が1.9%、「1か月以上2か月未満」が28.6%となっている。

企画検証の段階でどのような成果物を作成しているかを尋ねたところ(複数回答)、「ワイヤーフレーム」(55.6%)がもっとも多く、「事業コンセプト資料」(53.7%)、「画面遷移図・サイトマップ」(53.7%)がそれに続いた。

企画検証の際にどのような方法で意見収集や評価を行っているかを尋ねた質問(複数回答)では、「オンライン会議でのディスカッション」(61.1%)が最多となり、以下「書面・メールでの意見収集」(56.5%)、「評価シート・チェックリストの活用」(53.7%)が続いた。

企画検証のプロセスに関わる関係者を尋ねたところ(複数回答)、「新規事業部門の責任者」(63.9%)、「新規事業部門のメンバー」(58.3%)、「営業・マーケティング部門」(46.3%)が上位を占めた。

新規事業企画の検証において現在課題に感じていることを尋ねた質問(複数回答)では、「客観的な評価が難しいこと」(52.8%)がもっとも多く、以下「検証の進め方が体系化されていないこと」と「検証できる専門人材が社内にいないこと」(どちらも42.6%)が同率で続いている。

新規事業企画の検証における課題について、具体的な状況や改善したい点を自由に答えてもらったところ、「お客さまの反応がわからないので、成功するかの判断が難しい」「どのように検証するのか、誰がやるのか曖昧である」といった回答が寄せられた。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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