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UXリサーチのプロセスと組み立て方

プロダクトマネージャーに贈る、UXリサーチの入門と実践~ユーザーとともに価値あるサービスをつくるヒント~ 第4回

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 さて第3回で、小さくUXリサーチを始めることがどういうことか、具体的にどのように始めるのか、ということを紹介しました。第4回では、どのようにUXリサーチを組み立てればよいか、について紹介します。組み立て方が分かると「そのUXリサーチをすることがなぜ良いのか?」も説明しやすくなります。UXリサーチがどのようなプロセスで構成されるのかを理解した上で、そのプロセスを意識したUXリサーチの組み立て方を見ていきましょう。

目次

本連載について

 この連載は翔泳社から8月に刊行を予定している書籍『はじめてのUXリサーチ ユーザーとともに価値あるサービスを作り続けるために』の一部を先出ししたものです。この連載を読んで実践してみたいと思った方は、ぜひ書籍も手にとっていただければうれしいです。

UXリサーチのプロセス

 UXリサーチのプロセスは、大きく分けて7つのステップで進んでいきます。本稿では説明のためにステップを明示しています。しかし、1人で小さく始める場合には効率を重視して飛ばしたり、さっと進めたりする場合もあります。UXリサーチの全体のプロセスをざっくり把握した上で、あなたが課題だと感じている部分を中心に組み立て方を参考にすると良いでしょう。それでは、ここからはそれぞれのステップを簡単に解説します。

 状況理解では、事業背景や課題、ステークホルダーの関係性など、プロジェクトの状況を理解し、なぜUXリサーチが必要なのかを明確にします。

 問い立案では、状況を踏まえて、UXリサーチで明らかにしたい問いを立てます。問いを立てるというのは、言い換えるとそのUXリサーチの目的を明確にすることです。

 手順設計では、問いに対する答えを見つけるために、どのような手順でUXリサーチをするか設計していきます。UXリサーチ全体の進め方や手法の組み合わせ方を考えます。その上で、調査の手順をまとめたガイドなども用意していきます。

 調査準備では、設計した手順に基づいて、調査協力者の募集や機材の準備などを進めます。ここは意外と時間がかかるので注意が必要です。

 調査実施では、設計した手順に従って、調査を実施します。ここは多くの人が思い浮かべる「UXリサーチ」のイメージに近いでしょう。問いに答えるためには、このステップで十分なデータが得られることが大事になります。

 データ分析では、調査を実施して得られたデータを分析します。得られた膨大なデータを丁寧に見ていき、洞察を得ます。得られた調査結果や洞察を、他の人に伝えるためにまとめる作業もここで行います。また、分析を通して得られた洞察は次のUXリサーチの状況理解や問いの立案につながります。

 結果活用では、調査結果や洞察を関係者に伝えます。UXリサーチのプロセスの中でも重要なステップです。UXリサーチからどんなに良い洞察が得られても、実際にその結果が活用されなければ意味がありません。活用できるようにあらかじめ考えておきましょう。

 UXリサーチの運用は、ステップではなくUXリサーチのプロセス全体にかかります。UXリサーチを円滑に進めるためには重要です。


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著者プロフィール

  • 草野 孔希(株式会社メルペイ)(クサノ コウキ)

     電気通信大学大学院修士課程修了後、通信事業会社の研究所に入社し、デザイン方法論の研究および研究知見を活用したコンサルティングに従事。同時に社会人博士として慶應義塾大学院大学システムデザイン・マネジメント研究科にて博士後期課程を修了 博士(SDM学)。2018年11月にUXリサーチャーの一人目として...

  • 松薗 美帆(株式会社メルペイ)(マツゾノ ミホ)

     ICUで文化人類学を専攻し、2014年株式会社リクルートジョブズへ新卒入社。HR領域のデジタルマーケティング、プロダクトマネージャーを経てUXリサーチチームの立ち上げを経験。2019年より株式会社メルペイにUXリサーチャーとしてジョイン。JAIST博士前期課程在学中。

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