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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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AIプロダクトの開発ストーリーから学ぶプロダクトマネジメント実践入門

プロダクトマネージャーとしての0から1のプロダクトづくり

AIプロダクトの開発ストーリーから学ぶプロダクトマネジメント実践入門 第2回

 この連載では「誰もがプロダクトを通して価値を提供できるようにする」というビジョンを掲げた「PM DAO」(プロダクト開発コミュニティ)によるAIプロダクトの開発ストーリーを通じて、実践的なプロダクトマネジメントのノウハウを解説します。第2回では、プロダクトマネジメントの基本知識と、プロダクトマネージャーに求められる4つの役割、プロトタイプを通した仮説検証について学びます。

本記事の要約

  1. プロダクトマネジメントの役割の一つである「イノベーションプロダクトマネージャー」は、仮説検証に基づいたユーザー理解、アイデア生成、意思決定などを通して、新たな製品の可能性を探求し、PMFを目指します。
  2. 新しいアイデアは、検証と観察に基づいて仮説を作成することから始まります。 これらの仮説は、仮説検証プロセスを繰り返すことで、ユーザーへの解像度を高め、「提供すべき価値」に基づいた、より良いプロダクトを作ることができます。
  3. 本記事では「Value Discovery」という製品を取り上げ、複数回の仮説検証のプロセスにより、新しいユーザーのニーズや課題を特定し、どのように製品アイデアを創ったのかを紹介します。

プロダクトマネジメントの基礎知識

 プロダクトマネジメントは、プロダクトのライフサイクル全体を管理し、ビジネス目標の達成に向けてプロダクトを開発・改善するプロセスです。特に、顧客ニーズを理解し、市場調査や競合分析を行い、ビジネスと技術チームと連携してプロダクトの成功に導く役割を担います。

 プロダクトマネジメントは、Product Management Triangleと呼ばれる顧客(ユーザー)、テクノロジー(開発)、ビジネスの3つの点から成る三角形で表現されます。この三角形のバランスが取れている場合、プロダクトは顧客に価値を提供し、技術的に優れ、ビジネス上の成功を収めることができます。プロダクトマネージャーは、この3つの要素を適切に調整することで、プロダクトの成功に大きく寄与します。

 しかし、しばしばその役割の定義や認識の違いが生まれます。それはなぜかというと、プロダクトマネジメントというのは会社や扱うプロダクトによってその役割やプロセスが大きく異なるからです。

 例えば、以下のようなものがあります。

  • スタートアップ企業と大手企業での違い
    • スタートアップ企業では、より多くの責任を持ち、リソースが限られているために幅広い業務を担当することが一般的です
    • 大手企業では、プロダクトマネージャーが専門性を持って特定の領域に焦点を当てることが求められることがあります
  • B2BプロダクトとB2Cプロダクトでの違い
    • B2Bプロダクトの場合、プロダクトマネージャーは複雑な企業のニーズや長期的な関係性を重視します
    • B2Cプロダクトでは、消費者の嗜好やトレンドに敏感で、膨大なデータに基づいた意思決定が求められます

プロダクトマネージャーの4つの役割

 さらに、同じ会社、同じプロダクトであっても、その成長フェーズによっても役割が大きく変化します。そこで、それらを踏まえて考えられるプロダクトマネージャー(PM)の4つの専門領域が以下です。

 3つの点(顧客、テクノロジー、ビジネス)のそれぞれをカバーする4つの領域が考えられます。

  1. コア・機能PM:顧客の課題に対応するために製品の機能開発に重点を置くプロダクトマネージャー。機能の定義、デザイン、開発などを各チームと連携しながら行う
  2. 成長・アダプションPM:利用率の向上や定着化を目的としたプロダクトマネージャー。新規獲得、コンバージョン、リテンション(維持)などのビジネス指標を向上させることを目指す
  3. プラットフォーム・技術PM:組織内部の技術やプラットフォームを担当するプロダクトマネージャー。技術基盤の拡張性、セキュリティ、データ分析、API基盤、認証などの開発や設計を行う
  4. イノベーション・0→1PM:製品のプロダクトマーケットフィット(PMF、※1)を目指し、新しい価値の創造を目指すプロダクトマネージャー。新たな課題の特定、新しい製品やビジネスモデルの提案、ユーザー調査、製品検証を行う

 これらは決して、1人のPMがこのいずれかに属するというわけではなく、状況に応じてプロダクトマネージャーが扱う専門性を4つのベクトルで表現したものです。

 本稿では、B2BのAIプロダクトにおける 0→1(ぜろいち)のフェーズをお伝えいたします。

(※1) プロダクトマーケットフィット(PMF):ある製品が特定の市場で成功するために、その市場のニーズに適合している状態を指します。ビジネスやプロダクトにとって非常に重要な指標であり、製品が市場に受け入れられ、継続的な需要が生まれることを示します。

次のページ
イノベーションPMの役割について

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この記事の著者

早川 和輝(ハヤカワ カズキ)

 Salesforce米国本社でAI製品のプロダクトマネージャーを務め、日本、アジア、ヨーロッパの顧客支援とAI製品の改善に携わる。海外でのプロダクトマネジメントの経験を活かしPM DAOを創設。実践的な学習環境の提供、コミュニティ運営、プロダクト開発、大学機関向けの教育支援、企業向けコンサルティン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/1819 2023/06/01 14:00

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