編注
原文:「How to establish a product analytics practice」。翻訳にあたり若干加筆修正を行っています。
プロダクトアナリティクスを習慣化する
プロダクトアナリティクス(プロダクト分析)を実践することで、組織におけるさまざまなチームにおいて、セルフサービスでの分析をもとに意思決定できるようになります。これまで見えなかったことが見えてくるでしょう。
プロダクトアナリティクスは、驚くような発見をもたらしてくれます。 ユーザーに関する多くの行動データがあればあるほど、より確実にプロダクトに関する意思決定を行えます。
最初は膨大なデータを前に、とまどってしまうかもしれません。成熟したプロダクトであればあるほどデータが多く、数百万人のエンドユーザーと数十億のデータポイントからインサイト(ユーザーの潜在ニーズ)を抽出するのはさらに困難です。あるいは、逆にデータは足りないけれどもすぐにインサイトが欲しい場合もあります。データの成熟度にかかわらず、何から手を付けるべきかを判断するのは難しいはずです。
プロダクトアナリティクスを習慣化することで、これまで見えなかったことが見えるようになります。データへのアクセス、標準化にフォーカスし、発見を行動に移していきましょう。習慣化するとは、あらゆるメンバーがデータにアクセスしてプロダクトアナリティクスを行えること、そして、意思決定の基礎として利用できるようにすること、です。そうすることで「データに導いてもらう」環境を作ることができます。
以下の手順に沿って、プロダクトアナリティクスの実践を行いましょう。まずはデータへのアプローチ方法を変えることから始めてみましょう。データが導き出す答えがはっきり分かるようになり、プロダクトに関する意思決定がより的確になります。
なぜプロダクトアナリティクスを習慣化させる必要があるのでしょうか?
Mixpanelでは、企業のプロダクトチームや、部門を超えたチームと仕事をする際に、以下のような問題をよく耳にします。
- 必要なデータへのアクセス権がない
- 全社共通のデータサイエンスやアナリストチームからの返信に時間がかかる
- データにアクセスはできるが、分析するためには、そのコンテキストや、SQLの知識もが必要となる
- プロダクトのテストや機能のローンチに時間がかかりすぎて、成功したかどうかが計測できない
なかには、プロダクトアナリティクスを取り入れていても、習慣化できていない企業もあります。この場合、プロダクトアナリティクスは技術スタックのツールの一つに過ぎず、価値を生み出すことができません。プロダクト開発における実際のインパクトを見られないのです。
統計学者で経済学者のE.F.シューマッハ氏は、「1オンスの実践は、1トンの理論よりも価値がある」と言いました。プロダクトアナリティクスに計画的に取り組めば、ゲームチェンジャー(動向を大きく変える人や出来事)になれるかもしれません。プロダクトアナリティクスの目標とは、つまり、あなたのチームが仕事をしやすくなることです。ただし、この変化は1人で起こすことはできません。チームの努力とリソースが不可欠です。