役職を上げるには他者と組織力学への理解が必要
続く問題は「3.他者と組織力学への理解と対峙の不足」。これは、組織内の力関係や他者との関わり方に対する理解が足りなかったことを示し、ミドルからシニアレベルにおける課題となることが多い。役職が上がると、目的を自分で作り出し、他人と共同所有するスキルが必要である。
同僚、上司、他職種、経営者、投資家などさまざまなステークホルダーとの関係や、それらを取り巻く組織力学の理解が不足している場合、視野狭窄や期待の無理解、マネジメントの失敗につながることがある。組織におけるさまざまな関係者が持つ合意や信念、組織力学を知ることは基本であり、それを超えてさまざまな矛盾を解決するアイデアを生み出すことが求められる。
プロダクトマネージャーは、顧客を理解し、市場の力学に適応し、自社の利益と顧客価値の最大化を目指す。「3.他者と組織力学への理解と対峙の不足」の解消にはこのスキルを社内にも活用する。共感マップなどのツールを用いて、上司や関係者を理解し、その情報を元に対話することが有効である。さらに、利害不一致を調整するには、相手を深く理解し、その視点で話すことから始めるべきである。
「関わる職種や役職に関する情報をインプットするのは非常に強力な方法です。その人たちが普段どんな情報に触れているのかを知ること、また役職や職種の入門者向けの情報源に触れてみることも重要です。個人的には、経営者や投資家の視点を学ぶことをおすすめします」