通信事業や経産省での規制緩和、IT企業での経験を活かし、リーガルテック企業へ
──これまでのご経歴と、LegalOn Technologies入社の経緯をお教えください。
最初に入社したNTTでは、ITで日本や世界を発展させたいという思いがありました。しかし、民営化後の規制環境で自由な事業展開が難しいことを実感し、そこで国家公務員総合職(旧I種)試験を受けて経済産業省に入りました。
経産省では規制緩和に取り組みましたが、法律改正のプロセスが長く、PDCAサイクルが3年で1回しか回らない現実に直面したのです。そこで、より速く成果を出せるIT業界に戻り、楽天での勤務や起業を経験しました。
その後、規制がある分野でITを活用した効率的なサービスを提供したいと考え、医療とリーガル分野に注目し、結果的にリーガルテックに焦点を絞りました。自身の法律作成の経験から、AIやLLMを活用して法律関連業務の効率化ができるのではと考えたのです。そして、転職エージェントを介さず直接会社を調べ、LegalOn Technologiesに自ら門をたたいて入社しました。
──LegalOn Technologiesの事業やビジョン、業況をお知らせください。
当社のパーパスは「法とテクノロジーの力で、安心して前進できる社会を創る。」です。ここでいう「法」は法律だけでなく、業界のルールや社会的慣習、社内規程など広義の意味でのルールを指します。法は、権利獲得や事業推進の手段として積極的に活用できるものだと考えています。
当社は大手法律事務所から独立した2人の弁護士が2017年に創業しました。最初のサービスは「LegalForce」で、AIを使って契約書審査を効率化します。次に「LegalForceキャビネ」を開発し、契約書の管理やアラート機能を提供しています。これらは主に企業法務向けのサービスです。