LT3:デザイナー視点の体験設計とデザインレビューを全員で体験
- 株式会社リブセンス 転職会議事業部 不破昌代氏
- 発表スライド
株式会社リブセンスの転職会議事業部からは、デザイナー視点を共有するためのワークショップについて発表がありました。
ワークショップの背景と目的
企業の口コミが見られる転職サイト「転職会議」を運営する転職会議事業部では、「とりとむしとさかな」と呼ばれる視点を動かすワークショップを定期的に開催していました。しかし、デザイナー視点を伝えることの難しさに直面していました。その理由として以下が挙げられます。
- デザイナーの少なさ(デザイナーとエンジニアの比率が1:5程度)
- デザイナーのスキルやマインドセットの急速な変化
- デザインプロセスの見えにくさ
これらの課題を克服し、デザイナー視点をチーム全体で共有するために、特別なワークショップを企画しました。
ワークショップの実施内容
ワークショップは以下の流れで実施されました。
- 参加者が最近ワクワクした体験を共有
- その体験を転職会議の口コミ投稿・閲覧に取り入れるアイデアを出し合う
- 新しい口コミ体験をまとめる(誰が、どんな口コミ体験で、ワクワクするか)
このプロセスを通じて、参加者は以下のスキルを実践的に学びました。
- 1人称視点での体験の共有
- 多様な視点からのアイデアだし
- 共感に基づくリフレーミング
- 新たな体験の創出
ワークショップはMiroを使用してオンラインで実施され、参加者の理解を促進するために、作業イメージの例示や詳細な説明が提供されました。
デザインレビューの重要性
ワークショップ後のアンケートで「もっとフィードバックがほしい」「もっとデザイナーの総評を聞きたかった」という声があったため、翌月の全体会議でデザインレビューの時間を設けました。
デザイナーからは2万文字を超える詳細なレビューとコメントが提供され、参加者のアウトプットに対する具体的なフィードバックが行われました。このレビューを通じて、参加者はデザイン思考のより深い理解と、自身のアイデアの改善点を学ぶことができました。
総括
リブセンスの事例から、デザイナー視点を組織全体で共有し、活用するためのポイントは以下の3つにまとめられます。
- 体験型ワークショップの実施:抽象的な「デザイナー視点」を具体的な体験を通して学ぶ
- 身近な体験からの発想:参加者自身のワクワクする体験を起点にすることで、アイデア創出のハードルを下げる
- 詳細なデザインレビューの提供:専門家からの具体的なフィードバックにより、学びを深化させる
これらの取り組みにより、デザイナーではないメンバーもデザイナー視点を具体的に学び、日々の業務に活かすことができるようになります。また、組織全体でデザインの価値を理解し、より創造的なプロダクト開発につながる基盤を作ることができます。