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ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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数年後のDMMグループを導く。横断PM組織「アルファ室」がチャレンジする姿

組織横断施策の推進を進めるDMM.comの現在地と今後の展望

数年後のDMMグループを導く。横断PM組織「アルファ室」がチャレンジする姿 第3回

 グループ全体で60以上の事業を持つDMM.com。2022年には、DMM TVもリリースされエンタメ領域の充実もさることながら、アニメ事業や地方創生事業まで、領域を問わず数々の社会課題に取り組んでいます。そんなマルチな事業を展開するDMMでも、昨今の流れの中で、プロダクトマネジメントの重要性が話されるようになりました。そうして2022年、巨大な多事業組織のPMをリードするためにDMM初の横断PM組織、「アルファ室」が発足。本連載では、ステークホルダーを多く抱える大規模な組織であれば容易に起こりうる課題に対して、DMM・アルファ室がどのように挑んでいるのかを、お話ししていきます。今回で最終回、「横断組織 アルファ室」を含めて、DMMのグループを通して意思決定や優先度づけはどのように行われているのか。同じ悩みを抱える組織の皆さんに、役に立つ知見がお届けできれば幸いです。

はじめに

 前回の記事では、アルファ室のプロダクトマネージャーが開発の現場をどこまでどのように確認するのか、についてご紹介しました。これまでのお話を通して、アルファ室のポジションについて段々と解像度が高くなってきたかと思います。

 本連載の最後になる今回は、アルファ室の枠を超えて、会社全体として(特に横断的な)施策を効率的に進めるために現在課題となっていることや、それぞれの現在地について、できる範囲でお伝えしたいと思います。

プロジェクトの優先度はまだまだ正しく評価できていない

 そもそも、プロジェクトの優先度を会社全体ですべて管理できている状況とは言えません。管理できてないことによって、例えば「事業の施策を遂行していたら、会社の全体施策の差し込みが入った。どちらを優先したら良いかよく分からず、身動きが取れない」などということがおきます。

 優先度が正しく付けられていない背景には、さまざまな理由があります。

  1. どのようなプロジェクトが動いているのかが把握できてない
  2. 誰がどう優先度をつけるのかがあいまいで定義されていない
  3. 決定指針の推進実行に必要なリソースや管理体制が整備できていない

 それぞれをもう少し詳しく説明していきます。

課題(1)プロジェクトを収集したい

 そもそも優先度を決めるには、決めるもとになるリストが必要ですよね。1部署や1事業でしたら、プロダクトバックログなどがそれにあたると思います。しかし、事業全体で見ると、そのようなものは存在しないことが多いです。

 何十という部署によってバラバラなフォーマットで管理されていたり、場合によっては少人数だしフェーズ的にも不要とされていて、そもそもなかったり、といったこともあると思います。

 まずは、今どのようなプロジェクトがあるのか? 同一のフォーマットで情報を収集し、適切に更新されるプラットフォーム作りが必要になります。

 アルファ室では、この課題に対して、ツールの選定や情報収集のルート作りなどに一役買っています。

課題(2)決定ルートと必要情報を整備したい

 意思決定やそれを現場に伝える流れなど、包括的な決定ルートについては、昨年から徐々に整備されてきています。事業統括本部が発足され、プラットフォームの戦略会議なども設置されて、グループ全体に関わるビジネスの意思決定がそこで行われるようになりました。

 アルファ室から起案する場合は、工数・スケジュールと想定される効果はそろえるようにしています。しかし、当然さまざまな部署から持ち込みがあるので、情報がまばらだったりします。

 そもそも、どの部署がどのような活動に工数を割いているのかも、全体からみるとかなりブラックボックスです。工数管理をきっちりと行い、現在地や実行後の結果が把握できるようにすること。こうした生産性の管理面にも、アルファ室はコミットしていきます。

課題(3)立ち上げまでのスピードを速めたい

 特に横断組織に関連する施策の場合は、各部署のリソース調整や計画にかなりの時間を使ってしまい、スピードがなかなか上がらないことが多いです。これを根本的に速め、全体計画をスムーズにコントロールして実現するためには、正しい情報の伝達や事前の目線合わせが必要です。施策の目的を誤って(もしくは会社本位に)説明してしまうと、納得感が得られないため、遂行が遅くなります。

 また、現場では話す方も話される方も「急な差し込み」が一番厄介です。これには、常にできるだけ現場からボトムアップで、情報の伝達を試み、意思決定が行われるタイミングでは、ステークホルダーと目線がすでに合っている状況にしておくことが有効です。

 この辺りは、DMMならではのコミュニケーションルートや伝達の方法のナレッジをため込み、形式化していくことを、アルファ室としては取り組まなければならないと考えています。

次のページ
刻々と変化する社会状況に対応する

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この記事の著者

下山 勝悟(合同会社DMM.com)(シモヤマ ショウゴ)

DMM.com アルファ室 マネージャー。 デザイナーからキャリアをスタートし、クリエイティブチームのマネジメントを経験。その後、サイバーエージェントやリクルートで新規サービスの立ち上げや事業拡大を担当し、プロダクト開発やグロース施策に関する知見を蓄積。 現在はアルファ室のプロダクトマネ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

小島 佑太(合同会社DMM.com)(コジマ ユウタ)

DMM.com アルファ室 プロダクトマネージャー。 新卒で入社したチームラボ株式会社にて、システム開発チームのPM/ディレクターとして、金融・飲食・物流など多様な業界のUXUIのディレクション、要件定義、システム開発管理に従事。 2023年からはDMM.comの横串組織、アルファ室のプ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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