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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

ProductZine Day 2024 Summer

加速する「リサーチのインハウス化」 等身大で顧客を捉えるプロダクト開発の秘訣

タイミーに浸透するリサーチカルチャー、定量・定性で提供価値を徹底検証

加速する「リサーチのインハウス化」 等身大で顧客を捉えるプロダクト開発の秘訣 第3回


 プロダクト開発は不確実性の高い挑戦です。成功率を高めるにはどうするべきか? 解決の糸口の一つとしてデプスインタビューを中心とした定性調査の利用が活況です。本連載では、セルフ型のインタビュープラットフォーム「ユニーリサーチ」を運営するプロダクトフォース代表の浜岡が、マーケティングリサーチ・UXリサーチの最新トレンドと、スタートアップ・大企業各社で進む「リサーチのインハウス化」トレンドを事例を交えお伝えします。今回は、PMMとして活躍しながらリサーチ環境の整備に取り組むタイミーのプロダクトマーケティングマネージャー 後藤歩氏にお話を伺いました。

はじめに

 「リサーチのインハウス化」に切り込む本連載。前回の記事では、スタートアップとして早期からUXリサーチ特化の組織を設置されているスマートバンク社の話を聞きましたが、本記事では株式会社タイミーのケースをご紹介します。

 同社が提供する「タイミー」は、「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングすることで、時間や場所に制約されない自由な働き方を提供するスキマバイトサービスです。2018年8月のサービス開始以降、働き手である登録ワーカー数は累計900万人を突破、導入店舗も累計29万拠点を超えました(2024年9月時点)。

 拡大するスポットワーク市場をけん引する「タイミー」の開発現場にはリサーチが深く浸透しています。一方で前回取材したスマートバンク社とは対照的にリサーチの専門組織は置いていないといいます。今回は、そのような文化が醸成された背景を探るべく同社プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)の後藤歩氏に話を伺いました。

後藤歩氏

株式会社タイミー プロダクトマーケティングマネジャー

研究者として人間の嗜好研究に従事した後、UXリサーチャー・プロダクトマネジャーとして0→1から新規事業開発、プロダクトデザイン、UX文化醸成リードを担当。2024年1月より株式会社タイミーに入社。プロダクトチームと伴走し、UXリサーチ・GoToMarket戦略などを担当。HATENALABOの専属リサーチャーとしても活動中。

開発フェーズに進む前に「その機能には本当に価値があるのか」を徹底検証

──浜岡(以下省略):プロダクト開発で、御社ではリサーチが盛んに行われていると伺いました。具体的にはどのようにリサーチを取り入れているのでしょうか?

後藤歩氏(以下省略):タイミーでは、開発のフェーズにおいて、リサーチが当たり前のように実施されています。直近1か月のワーカーと事業者向けインタビューを数えたところ46件でした。1営業日あたり2件のインタビューをしている計算になります。

 開発チームでは「その機能は本当にワーカーや事業者にとって価値があるのか?」という点をよく議論します。もしその答えがあいまいなら、開発に進まずに、まずはリサーチフェーズに回します。

 開発現場では「リサーチの暇がない」というのはよくある話で、私自身もタイミー以前の職場ではそんな経験があります。しかし、タイミーでは当たり前に「分からないなら、ワーカーさんにインタビューで聞いてみよう!」となるのは、一つの特徴だと思います。

 「最近インタビューしていないな」とふと感じたタイミングで、探索的なインタビューを気軽に行うこともあります。ワーカーさんの新たな悩みの種を聞いて、情報を社内にストックし、開発に活かしています。

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専門組織はなくとも「ユーザーファーストの文化」が全社的なリサーチ風土を醸成

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この記事の著者

浜岡 宏樹(株式会社プロダクトフォース)(ハマオカ ヒロキ)

筑波大学心理学部卒業。新卒で株式会社LIFULLに勤務。法人営業に従事し年間トップセールスを受賞後、社長補佐として複数のプロジェクトマネジメントを経験。 社内新規事業としてインタビュープラットフォーム「ユニーリサーチ」を起案した後、2023年に創業した株式会社プロダクトフォースに同事業をスピンアウト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/3057 2024/12/17 18:53

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