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ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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DAU100万超「Chatwork」のkubellが挑む新規事業、BPaaSプロダクトの魅力とは?

 2024年7月にChatwork株式会社から社名変更を行い、新たにBPaaS事業へと事業拡大をした株式会社kubell(クベル)。国内最大級のビジネスチャットを有する同社が、中小企業の圧倒的な顧客基盤を活かして展開するBPaaS(ビジネスプロセスそのものを提供するクラウドサービス)とは何か。そして、長期ビジョンとして掲げる「ビジネス版スーパーアプリ」の実現に向けて、どのようなプロダクトが構想されており、プロダクトマネージャーとしてどのような課題に挑み、新しい価値を創出できるのか。同社 BPaaS本部 プロダクトユニット VPoE 平本康裕氏とBPaaSプロダクト部 プロダクトマネージャー 岩本竜也氏の両名に話を聞いた。

なぜkubellがBPaaS事業に挑むのか

──BPaaS(Business Process as a Service)は日本ではまだ比較的新しい概念だと思います。具体的にはどういったものなのでしょうか。

平本康裕氏(以下、平本氏):当社では、「働くをもっと楽しく、創造的に」というコーポレートミッションのもと、中小企業を中心にビジネスチャット「Chatwork」を提供してきました。今後は、「Chatwork」を基盤としたさまざまなアプリケーションを展開し、中小企業の本質的なDXを推進することで、「ビジネス版スーパーアプリ」という長期ビジョンの実現を目指しています。

株式会社kubell BPaaS本部 プロダクトユニット VPoE 平本康裕(ひらもと・やすひろ)氏
株式会社kubell BPaaS本部 プロダクトユニット VPoE 平本康裕(ひらもと・やすひろ)氏

 何のアプリケーションから提供すべきか。それを知るために、DAU116万(※1)を超える「Chatwork」のお客さまに対してまずはDXの提案から始めました。そこで分かったのが、中小企業のお客さまにとって複数のSaaS導入は非常にハードルが高いものであるということでした。要は、SaaSを導入してから使いこなし、業務オペレーションに組み込み、従業員に定着させるまでのリソースを割く余裕がないのです。

 それならば、ただ単にSaaSを提供するのではなく、プロダクトで最適化された業務プロセスとDX人材をセットで提供しようと始めたのが「BPaaS=ビジネスプロセスそのものを提供するクラウドサービス」です。

(※1) 2024年7月〜9月末の中央値(1日あたりのサービス利用者数(Daily Active User)の土日祝日を除く平日の中央値)。

マジョリティ市場のDXを実現するBPaaS

マジョリティ市場のDXを実現するBPaaS

(「kubell 会社概要・中期経営計画」の11ページより一部抜粋)

──BPaaS事業を始めたのはいつからですか?

平本氏:チャット経由で会計、労務、総務など様々なバックオフィス業務をアウトソースできる「Chatwork アシスタント」を2023年6月に正式リリースしたのが最初です。実はその約1年前からフィジビリティスタディ(実行可能性調査)として「Chatwork」のユーザー数社に提供したところ、とても喜んでいただけることが分かりました。

「Chatwork アシスタント」が貢献した業務の一例
「Chatwork アシスタント」が貢献した業務の一例

BPaaSでは業務の型化が重要、SIerなどの経験が活かしやすい

──改めてお二人がどういう経緯でkubell社のBPaaS事業担当になったのか、これまでの経歴とともに教えていただけますか。

平本氏:私は2012年に株式会社リクルート(以下、リクルート)に新卒入社し、ECモールのバックエンドエンジニアから始まって、ビッグデータアーキテクトやクラウドアーキテクトを経験した後、最後は「Air ビジネスツールズ」の開発組織のマネージャーとして従事。2022年3月まで10年間リクルートにいて、kubell(当時はChatwork)に転職しました。

 リクルート時代から未解決の課題が山積みの白地がある環境が好きだったので、強い既存事業があるなかで新規事業の立ち上げに挑戦できるのが楽しそうだと思いました。転職当初はグループ会社のkubellストレージ(当時はChatworkストレージテクノロジーズ)で執行役員をしていましたが、後任に引き継いで2024年1月からBPaaS事業に集中できるようになり、現在はBPaaS事業のVPoEをしています。

岩本竜也氏(以下、岩本氏):私は2008年に株式会社野村総合研究所に新卒で入社して、知的財産関連のSaaSを扱っているグループ会社で、アプリケーションエンジニアとしてキャリアをスタートさせました。上流工程を中心にキャリアを重ね、kubellに転職する前の約5年間は、知的財産調査SaaSの開発組織のマネージャーを務めていました。しかし2020年に親会社が外資系企業に変わることになり、プロダクト開発も海外が中心になっていくことが分かりました。このまま自分が主体的にプロダクトに関わっていくのは難しそうだなと感じ、このタイミングで新たな挑戦をしてみようと転職を決意。2024年9月にkubellに入社して、今はBPaaS事業のプロダクトマネージャーをしています。

株式会社kubell BPaaS本部 プロダクトユニット BPaaSプロダクト部 プロダクトマネージャー 岩本竜也(いわもと・たつや)氏
株式会社kubell BPaaS本部 プロダクトユニット BPaaSプロダクト部 プロダクトマネージャー 岩本竜也(いわもと・たつや)氏

──岩本さんがkubellを転職先として選んだ決め手は何だったのでしょうか。

岩本氏:「Chatwork」はもちろん知ってはいましたが、新たにBPaaS事業を立ち上げていることは知りませんでした。それまでは知的財産という狭い領域の成熟したプロダクトに携わっていたので、幅広いお客さまをターゲットとしたプロダクトにコンセプト立案の段階から関われる点が魅力でした。それに、まだ組織も立ち上げ段階で、シニア層も含めてポジションが空いているという話を聞き、これまでのマネジメント経験が活かせる点も大きな決め手となりました。

──実際にkubellに入社されてみて、どうでしたか。

岩本氏:kubellでは、どのようなところを目指して、現時点で何をやっているのか、といった事業戦略を細かいところまで公開しているので、ギャップのようなものは特にありませんでした。面接とは別に3~4回ほど面談の機会もあり、平本さんをはじめ現場のメンバーとも直接会話できたので、自分がどのような人たちと一緒に働くのかも把握できた上で入社できました。

 うれしい誤算は、社内でのBPaaS事業に対する理解が想像以上にあったこと。よく強い既存事業がある組織では新規事業に対してハレーションが起きるという話を耳にしますが、kubellでは他部署のみなさんがBPaaS事業を含め、新規事業の重要性を理解しているので、とても協力的で仕事がやりやすいです。

──BPaaS事業のプロダクト組織には現在何名くらい所属されているのですか。

平本氏:私が入社した当時はまだ組織化もされておらず、新規事業(現BPaaS事業)のプロダクトに関与する社員は3人しかいなかったのですが、そこから採用に力を入れて、今はグループインした会社の人たちを含めると20人近くに増えました。業務委託も含めると50人近い規模になっています。

──社内で異動させるのではなく新たに採用されたのですね。

平本氏:Chatwork事業も引き続きグロースさせる必要があるため、基本は採用ですね。

 とはいえ、立ち上げフェーズの採用は容易ではありません。目に見える成果を伝えづらいため、なりたい姿やビジョンに共感してもらうしかないのです。そこで当初はプロダクト企画ができる人を採用して、ある程度プロダクトの方向性が決まってからエンジニア採用に力を入れていこうと考えていたのですが、今思うと同時にエンジニア採用をスタートさせるべきだったと思います。BPaaSは「型化された業務プロセスと人材を含むオペレーションをクラウド上で購入できるビジネスモデル」であり、プロダクトとしては業務改善のためのソリューションです。そのため、SIerの人たちが得意とする領域ではないかと考えています。

──具体的にはSIer出身の方のどのようなスキルや視点がBPaaSで活かせるのでしょうか。SaaSとの違いもあれば教えてください。

平本氏:業務支援SaaSに似ているところもあるのですが、エンドユーザーだけが直接利用するわけではなく、アシスタント業務を担うオペレーションスタッフ(以下、BPaaSクルー)が標準化した業務プロセスに合わせて操作するので、BPaaSのほうが理想を追い求めやすい。どうしても業務支援SaaSでは、各社の要望やさまざまなユースケースに合わせて、柔軟にカスタマイズしやすいつくり方をしなければなりません。BPaaSではそれがない分、エンドユーザーをBPaaSクルーが支援しやすいよう、複数の業務を型化していくところが大事なポイントになります。そのため、業務基幹システムの開発に携わっていたSIer出身の方が勘所があって活躍しやすいと考えています。

ビジネスチャットだけの会社ではない、中小企業を変革しうるBPaaS事業

──先ほど岩本さんもkubellが「Chatwork」以外にBPaaS事業を始められていることを知らなかったというお話がありましたが、求職者の方にまだ伝わりきっていないと感じることはありますか。

平本氏:そうですね。まだまだビジネスチャットだけの会社だと思っている方はたくさんいて、BPaaS事業のために新しい組織をゼロベースで立ち上げているというと驚かれます。技術スタックも新規事業やプロダクトの特性に合わせてゼロから選定しています。そのような選定段階から関わることができるので、新しいことにチャレンジしたい方にとっては、とても楽しい環境だと思っています。

岩本氏:BPaaSという新しいコンセプトに興味を持って入社してきている人たちが集まっていますし、経験豊富なシニアメンバーが多いので、互いに刺激を受け合えるのも、BPaaS事業のプロダクト組織の良いところだと思います。

──今後は、BPaaS事業で具体的にどのようなプロダクトを提供していく予定ですか。

平本氏現在、お客さまが順調に増えていくなかで課題となっているのが、受発注に必要な契約や請求まわりの依頼が膨大にあることです。ここを自動化するために受発注システム「BPaaS窓口」をお客さま向けにもローンチしようとしているところで、今はフィジビリティスタディを進めています。

BPaaSプロダクト領域の全体像
BPaaSプロダクト領域の全体像

 次に、BPaaS事業のコアとなっていく「自動化エンジン」の開発を進めていきます。ソフトウェアがお客さまとBPaaSクルーの橋渡し役となり、業務を進めるための定型化された情報を集約する仕組みです。このようにBPaaSプロダクトでやっていきたいことはたくさんあるため引き続き体制を拡張させていきます。

 そして最終的には「BPaaS窓口」や「自動化エンジン」などのBPaaSプロダクトと「Chatwork」との連携を目指します。ビジネスチャットはプロダクトの特性上、ユーザーの滞在時間が長いので、チャット経由でもっと簡単に業務依頼ができるようにしていきたい。この世界観がつくれれば、中小企業のお客さまのノンコア業務が複数のアプリケーションによりいつの間にかDXされ、中小企業のあらゆるビジネスの起点となるプラットフォーム「ビジネス版スーパーアプリ」が実現できると考えています。

AIによる自動化によって劇的な生産性の向上を目指す

AIによる自動化によって劇的な生産性の向上を目指す

(「kubell 会社概要・中期経営計画」の12ページより一部抜粋)

──BPaaSは「ビジネス版スーパーアプリ」に向けた通過点なのですね。では最後に、ひとことずつメッセージをお願いします。

平本氏:kubellという新社名には「働く人の心に宿る火に、薪を『くべる』ような存在でありたい」という想いと決意が込められています。薪を『くべる』私たちがいることで、中小企業の方たちがより楽しく、創造的に働けるようにしていきたい。そのために、BPaaSの最適解を模索しながら、一緒に理想のプロダクトをつくり上げてくれる仲間を募集しています。未知の領域に挑戦したい方からのご応募を、ぜひお待ちしています。

岩本氏:さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まっているので、適材適所でうまく力を発揮できるプロダクト組織にしていきたいと思います。どのようなプロダクトができるのか自分自身も楽しみなところですし、一緒につくってくれる仲間がまだまだ足りていないので、採用にも力を入れながら頑張っていきたいです。

BPaaS事業のプロダクト組織について詳しく知りたい方はこちら

 「働くをもっと楽しく、創造的に」をコーポレートミッションとして掲げるkubellは、誰もが使いやすく、社外のユーザーとも簡単につながることができる日本最大級のビジネスチャット「Chatwork」を開発・運営しています。また、チャット経由で会計、労務、総務など様々なバックオフィス業務をアウトソースできる「Chatwork アシスタント」などのBPaaSサービスを幅広く展開しています。

 BPaaS事業のプロダクト組織では継続的に一緒に働く仲間を募集しています。

(撮影場所:WeWork 乃木坂)

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提供:株式会社kubell

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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