なぜkubellがBPaaS事業に挑むのか
──BPaaS(Business Process as a Service)は日本ではまだ比較的新しい概念だと思います。具体的にはどういったものなのでしょうか。
平本康裕氏(以下、平本氏):当社では、「働くをもっと楽しく、創造的に」というコーポレートミッションのもと、中小企業を中心にビジネスチャット「Chatwork」を提供してきました。今後は、「Chatwork」を基盤としたさまざまなアプリケーションを展開し、中小企業の本質的なDXを推進することで、「ビジネス版スーパーアプリ」という長期ビジョンの実現を目指しています。
何のアプリケーションから提供すべきか。それを知るために、DAU116万(※1)を超える「Chatwork」のお客さまに対してまずはDXの提案から始めました。そこで分かったのが、中小企業のお客さまにとって複数のSaaS導入は非常にハードルが高いものであるということでした。要は、SaaSを導入してから使いこなし、業務オペレーションに組み込み、従業員に定着させるまでのリソースを割く余裕がないのです。
それならば、ただ単にSaaSを提供するのではなく、プロダクトで最適化された業務プロセスとDX人材をセットで提供しようと始めたのが「BPaaS=ビジネスプロセスそのものを提供するクラウドサービス」です。
(※1) 2024年7月〜9月末の中央値(1日あたりのサービス利用者数(Daily Active User)の土日祝日を除く平日の中央値)。
──BPaaS事業を始めたのはいつからですか?
平本氏:チャット経由で会計、労務、総務など様々なバックオフィス業務をアウトソースできる「Chatwork アシスタント」を2023年6月に正式リリースしたのが最初です。実はその約1年前からフィジビリティスタディ(実行可能性調査)として「Chatwork」のユーザー数社に提供したところ、とても喜んでいただけることが分かりました。