デザインシステムを充実させるためのコミュニケーションの仕組み
個別の開発プロジェクトだけでなく、組織的なワークフローにおいてもFigmaが用いられている。
プロダクトデザイン本部では、開発ドメインごとのユニットレビュー会、サービス全体との関わりを見る本部レビュー会など、ほぼ毎日のペースで何らかのレビューが行われている。課題の言語化と議論を重ね、知見やノウハウを一般化するところまで煮詰めたら、それらはデザインシステムのガイドラインに追加される。ソリューションとして「あるべき状態」の精度を高め、過去と同じ議論を繰り返さないようにする仕組みだ。
そのガイドラインの過不足を見直す取り組みでは、全ページをキャプチャしてFigJamに貼り付け、メンバーが細部にわたって検証し改善ポイントを書き出した。さらに、デザインシステムのコンポーネントライブラリを改善するプロジェクトでは、As-Is/To-Beを図解し、作業の流れを共有するなど、ミスのない作業のためにFigJamが活用された。
「FigJamなら付箋を貼り付けたり、引き出し線でポイントを示したりなど、非常に取り回しがしやすいですし、それぞれが好きな時間に非同期的に取り組みながらコミュニケーションパスを回せるところが強みだと思います」(植田さん)
ドメイン間の横連携のためのコミュニケーション
SmartHRは、労務手続き・人事管理プロダクトのドメインが複数におよび、それぞれ複数のチームが同時に開発を進めている。そのため、各プロジェクトの横串を通し可視化する必要がある。それが定例で行われるレビュー会の一つ「部内のデザイナー共有会」だ。
「各デザイナーが1枚のボードに今週実施したことを付箋で記し、Figmaファイル(成果物)へのリンクを添えて報告することで、誰がどんな活動を行い、何を作っているかが一覧できます。そこにマネジメントレイヤーから期待値や品質に関するフィードバックし、また改善につなげる形で連携を図っています。FigJamでコミュニケーションすることでお互いの動きが見えやすく、透明性を高く保てることが私たちの工夫です」(植田さん)