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ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

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新人プロダクトマネージャーのためのユーザーリサーチ入門

プロダクトマネージャーが仮説検証アンケートを効果的に行うためには?(前編)

新人プロダクトマネージャーのためのユーザーリサーチ入門 第7回

【設計】3.バーニングクエスチョンから考える

 調査で明らかにしたいことについて意見を出すと、さまざまな観点が出てくると思います。ここでは、「次に進むために一番明らかにしたいこと(バーニングクエスチョン)」を中心に、優先度が高い設問について具体的に考えることが重要です。

 調査票の設計に慣れないうちは、デモグラフィック情報や実態把握などの考えやすい課題や設問から着手してしまうことが多いのですが、アンケート調査で聞けることは限られています。一番重要なことをしっかりと把握できるよう、意思決定に必要なアウトプットから逆算式で考えるようにしてください。また、調査票の設計時には以下の点にも留意する必要があります。

  • バイアスや回答しやすさを考慮して設問を配置する
  • 1問にさまざまな要素を詰め込みすぎない
  • 設問文、選択肢の文章表現はシンプルに
  • オープンクエスチョンを多用しない

【集計・分析】4.調査票と一緒に集計や分析の方法を決めておく

 仮説検証アンケートは、その後の意思決定やアクションにつなげるために実施するものなので、誰に、何を聞いて、それをどうアウトプットするかがとても重要です。そのため、アンケートの結果をどのように集計し、まとめるかを調査票設計の段階で決めておくのがよいでしょう。

 結果をどう分析するかによって、選択肢をマルチアンサー(複数回答)にするか、5段階評価(とても〇〇だ~まったく〇〇でないなど)にするか、なども決まります。集まったデータを見てから「どう分析しようか」と考えるのでは遅いのです。また、分析に足るだけのサンプル数が集められるか、どの設問をどの軸で集計するかなども含めて、アウトプットから逆算して考えるようにしましょう。

図2 マルチアンサーと5段階評価の違い
図2 マルチアンサーと5段階評価の違い

【意思決定】5.アンケート結果から意思決定するための基準を決めておく

 検証結果から次のアクションを判断するための具体的な指標や基準も事前に設定しておいた方がよいでしょう。バーニングクエスチョンなどの重要な設問では、結果がどうなるかをあらかじめイメージしておくことをお勧めします。

 例えば、「新機能には、30%以上のユーザーが「とても必要だ」と回答するだろう、その場合は開発を続ける」といった形で、アンケート結果を判断するための基準を作り、検証した後にどのように決断、行動するかをあらかじめ決めておくことも重要です。

 今回は、仮説検証アンケートのプロセスごとに留意すべき点について説明してきました。次回は、実際にアンケート調査で使っているフレームワークや分析手法、報告書を例示しながら、具体的に何をアウトプットしているのかについてご紹介します。

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この記事の著者

平野 美和(株式会社ユニークルーパー)(ヒラノ ミワ)

株式会社ユニークルーパー 代表。Googleの「デザインスプリント」に精通し、プロダクト開発のリサーチを体系化する「DSR(デザインスプリントリサーチ)」を自社開発。リサーチはプロダクト開発のインプット情報と位置づけ、プロダクトマネージャーと並走するリサーチャーを自負する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/3384 2025/04/15 11:00

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