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KDDI、Pendoの統合プラットフォーム導入によって店舗向けシステム利用者のDXを支援

 Pendo.io Japanは、米Pendoの提供している定性および定量データ、ビジュアルデータやAIを活用してビジネス成果を推進・支援する統合プラットフォームの、KDDIによる採用事例を4月30日に公開した。

 auショップや家電量販店をはじめとしたKDDI商材を取り扱う店舗では、店舗スタッフがKDDIの店舗受付システムを搭載したタブレット端末を使って、店頭サービスの簡素化と迅速化に貢献している。同システムは、全国で約1万を超える拠点に導入されており、約4万台のデバイスで利用されてきた。

 一方で、商材やサービスが拡大するにつれて店舗受付システムのUIやワークフローが複雑化して接客時間が長くなり、店頭での効率化の妨げにもなることが懸念されている。

 そこでKDDIは、店舗スタッフと来店客とのやり取りにおいて、システムがどの部分で摩擦を生んでいるのか、利用状況を分析することにした。

 システムの改善にあたって、企画部門は現場からの定性的なフィードバックに基づいて、改善要望をシステム部門にリクエストしている。しかしながら、定量的なデータを測ることが困難だったことからリクエストに優先順位を付けることが難しく、実装後の成果を把握することも非常に困難な状況だった。

 具体的には、販売実績のデータは把握されていたものの、店舗スタッフが実際にシステムをどのように活用しているのかという点は把握されておらず、システムログが複雑かつ膨大なためデータ分析も効率的とは言い難い。そこで、さまざまなシステム環境におけるチャネルの分析に「Pendoアナリティクス」を利用することになった。

 Pendoアナリティクスの利用によって、システムの利用状況データの収集とユーザー行動の視覚化がより迅速かつ容易になり、伝え聞いた情報ではなく実際の利用状況データに基づいて、システムのアップデートや店舗スタッフのオンボーディングに関する意思決定が可能になっている。

 Pendoアナリティクスを導入したことで、KDDIは顧客の申し込み時における画面遷移のビジュアルデータ分析を通じて、業務改善のポイントを特定できるようになった。店舗スタッフが顧客の申し込み情報を入力する際に、店舗受付システム内ではさまざまなパターンの画面遷移に沿って業務が進められているため、受付時の画面遷移を理解することは、業務プロセスの効率性を評価する上で重要となる。

 一方で、システムを企画する部門は特定の画面遷移機能について必要不可欠であり、廃止は困難だという見解を持っていた。これらの機能は、ロジックの複雑さの原因となっており、サービス追加等のエンハンスにおいて多大な時間とコストが必要となる。そこで、同機能の必要性を見極めるべく、Pendoのプラットフォームを活用して機能の利用状況を分析し、利用状況は多くないことを明らかにした。

 これらの客観的なデータに基づいて、チームは次回のシステム改修における画面遷移の最適化の可能性について、企画部門と具体的な議論を進められるようになり、将来的な開発時間とコストの効率化が期待される。

 あわせて、条件が満たされていない契約が誤って手続きされることを防ぐべく、システム内でブロックできる機能を新たに追加した。同機能は、不正契約の可能性がある場合に警告画面を表示して店舗スタッフに注意を促すことによって、誤って不正契約に進むケースを16%削減している。また、これまでは新機能の有効性を証明するためにはローデータの収集が必要だったが、Pendoの導入によって施策の効果実証が容易になった。

 KDDIは、新製品や新サービスのリリース、システムアップデートにともなって、店舗スタッフへ定期的に通知しており、一部のアップデートについては店舗スタッフが店舗受付システム内のマニュアルを確認する必要があったことから、接客業務の繁忙などを原因に情報が見落とされるリスクを抱えている。そこで、Pendoのアプリ内ガイドを使用して、アプリをアップグレードするためのシステムアップデートについてスタッフに通知を実施したところ、導入初日に57%がバージョンアップを実施して、従来の案内でのバージョンアップ(40%)から大幅な改善を実現した。

 KDDIは、Pendoを活用することで利用状況データの確認、分析、行動につなげられるようになり、店舗スタッフのより効果的なカスタマーサービスの提供が期待される。同社は、サービスの効率を向上させるにはDXが不可欠と考えており、その戦略においてPendoのプラットフォームが重要な役割を担っていく。

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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)

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