LT2:「本当にやりたかったことを生成AIを通じてマネジメントしよう」
- 発表者:廣瀬賢太郎氏(BIPROGY株式会社 プロダクトマネージャー)

やりたいことだけでは済まないプロダクトマネジメントの現実
「誰もが子どもを持ちやすいサステナブルな社会を実現したい」という志を持つ廣瀬氏は、プロダクトマネジメントが「やりたいことだけをやれるほど甘くない世界」であることを認識していました。
そこで、生成AIを活用して本当にやりたいことを実現するためのマネジメント手法を3つの観点から提示しました。
1.やりたくないことの自動化
事例1:フランクじゃない文章作成の自動化
- メールや公式文書など、固い文章作成のストレスをAIで解決
- 普段の言語と異なる文体での文章作成負荷を軽減
事例2:朝の予定読み上げシステム
- 会社PC起動時の待機時間を活用
- Power Automateと音声生成AIを組み合わせた自動化
- 「秘書さんのように今日の予定を読み上げてくれる」仕組み
2.詳細プロトタイピングの大量生産
従来のプロトタイピング手法では、荒い解像度のプロトタイプ→検証→可能性を狭めるという王道アプローチが主流でした。しかし、生成AIの活用により、詳細なプロトタイプを大量に生産することが可能になりました。
推奨ツールと手法
- Figma Make:頭に思い浮かべたアイデア(言葉)から勝手にデザインしてくれる機能
- Gemini Canvas:デザインから実装へのイメージがしやすい
- 大量生産の重要性:1個ではなく、10〜30個のプロトタイプを作成し、要素を組み合わせる

3.プロダクトへの生成AI導入は、利用者の価値観理解がキー
廣瀬氏は、生成AIをプロダクトに組み込む際の重要な観点として、「利用者の価値観を理解すること」を強調しました。
単純な自動化ではなく、「人間が本当にやりたいこと」を奪わないことが重要であり、この本質的な価値提供のポリシーをチーム全体で議論することが有益だと語りました。

総括:生成AIの本当の価値
廣瀬氏は「生成AIの本当の価値は、AIを通じて言語化し、自分や社会と会話すること」であると定義。人間の本当にやりたいこと(例:コーディングしたい)を奪わないことが、生成AI活用の本質であることを示しました。

