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Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

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ファインディのコミュニティイベント「PM Hub」レポート

生成AI時代のPM・エンジニア影響と連携の最前線──越境の新たな可能性を探る

ファインディのコミュニティイベント「PM Hub」レポート 第13回

 ファインディの「PM LT Night」で、生成AI時代のPMとエンジニアの協働が議論された。フリー、BIPROGY、Faber Company、REALITYの4社が登壇し、AIによるコンテキスト共有の革新や、CSなどビジネスサイドを巻き込んだ「越境」的な開発プロセスの実践知を共有。AIによって「無理かも」が「できるかも」に変わる中、PMやエンジニアの役割はどう変化し、本質的な価値提供をどう担保すべきか。その最前線を探る。(編集部)

はじめに──生成AIの進化により、プロダクトマネージャーとエンジニアの協働の在り方が問われている

 ファインディが主催するプロダクトマネージャー向けコミュニティイベント「PM Hub」では、現場での実践知を共有するLTイベント「PM LT Night」を定期的に開催している。2025年6月26日に開催された「PM LT Night」では、4社から登壇者が集まり、生成AIの普及により変化するプロダクト開発の現場において、PMとエンジニアの協働がどのように進化しているかが語られました。

編注

 本記事では、「PM」はプロダクトマネージャーを指します。記事中の各位の所属および役職は、イベント開催時点(2025年6月26日)のものです。

LT1:「AI活用でPMxEngが二人三脚した結果、トップレベルの速度で企画をリリースしている件!」

  • 発表者:しんちゃん氏/荒木 慎平氏(フリー株式会社 プロダクトマネージャー)
  • なのら氏/鈴木智之氏(フリー株式会社 リードエンジニア)

PMとエンジニアのコンテキストギャップの壁

 「freee(フリー)会計」のスモール法人向け初期体験を担当するアロハチーム(PM1名、エンジニア3名、QAエンジニア(quality assurance engineer))では、従来の開発プロセスにおいて深刻な課題に直面していました。

 ユーザー解像度の不足により、PMの要件とエンジニアの実装にズレが生じ、施策A→フィードバック→ホットフィックス→施策Bという悪循環が発生。結果として、アジャイルな施策推進が回らず、チームはアウトプットを出せない状況に陥っていました。

AIを活用したコンテキスト共有を通じた越境

 この課題を解決するため、アロハチームはAIを活用した越境的な協働を実践しました。

1.PRD段階からのエンジニア参画

  • PMが作成したPRD(プロダクト要件定義書)をAI(LLM)に投入
  • エンジニアがAIの出力結果を議事録として活用し、要件の妥当性を議論
  • 「ゴールインパクトに対してHowが弱い」といった具体的な改善点を早期発見

2.専門領域の標準化

  • FigJamのカテゴライズ機能を活用したブレインストーミング
  • PMとエンジニアのコンテキストを可視化し、30分〜1時間のミーティングを有効活用
  • NotebookLMによる問い合わせ対応やチーム内情報共有の効率化

生成AI活用により施策数が1.7倍増加

 これらの取り組みにより、アロハチームは半年で30の施策を実現。前年比で1.7倍の施策数を達成し、サイクルを高速で回せるようになりました。

総括:AI時代の越境の本質

 最後に重要な問いを投げかけました。「AIは人をサポートするものなのか、それとも人がAIをサポートするのか」。大量のステークホルダーと異なるAIリテラシーレベルの中で、コミュニケーションコストによる仕様のロスやバグの方が多い現実を踏まえ、「AIに開発させることを人がサポートする」世界線への移行が現実的であると語りました。

次のページ
LT2:「本当にやりたかったことを生成AIを通じてマネジメントしよう」

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この記事の著者

ファインディ株式会社 プロダクトマネジメント室(ファインディカブシキガイシャ)

プロダクトマネージャー向けのイベントを開催しているコミュニティです。各社のプロダクトマネジメントに関する取り組み事例や成功事例をLTやパネルディスカッションを通じて共有し、またプロダクトマネージャー同士の懇親の場を設け、それぞれが取り組んでいる課題やベストプラクティスについて話し合い、社内に閉じがち...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/3828 2025/10/30 16:00

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