Friends of Figmaとは?
「Friends of Figma(以下、FoF)」は、Figmaの公式コミュニティです。世界82か国に250以上のチャプター(支部)があり、昨年1年間だけでも全世界で900件を超えるイベントが開催されました。日本でも、東京、大阪、福岡といった大都市圏だけでなく、湘南、滋賀、宮崎など各地でチャプターが広がっています。
今年5月にはFoFのブランドリフレッシュが実施されました。Figmaのブランドイメージとの連続性を保ちながら、世界中のチャプターがそれぞれの地域色を出せるデザイン設計になっています。
今回の記事では、FoF Tokyoのリーダーである木原朝美さんと久保仁詩さん、今年始動したばかりのFoF Tama(東京・多摩地区)のリーダーである小泉誠さんと庄司美雪さんにインタビューを行いました。
「好き」が集まる場所──リーダーたちに聞くFoFのリアル
──FoF Tokyoではどんな活動をしていますか?
木原さん:カジュアルな雰囲気で、デザイナーや開発者が自由にやり取りできる環境を提供しています。Figmaを利用したハッカソンや、技術的なトピックを紹介するトークセッションを開催することもあれば、カードゲームをみんなで遊ぶようなイベントを開いたこともあります。イベントに来てくれる方はデザイナーだけでなくプロダクトマネージャーの方もいて、職種に関係なく交流が盛んです。
久保さん:専門的な話題に興味をもって参加してくれる人もいれば、Figmaをほとんど知らないけれどコミュニティが盛り上がっているから気になって参加したという人もいますね。
──FigmaやFoFと出会ったきっかけを教えてください。
木原さん:最初にFigmaを使ったのは、転職活動のポートフォリオでした。入社後は社内でFigmaの勉強会を企画したりして、2022年にはConfig(Figmaの年次カンファレンス)に登壇者として招待していただきました。そこでFoF Taipei(台北・台湾)のリーダーと出会ったんです。そのとき初めて、東京にもFoFコミュニティがあることを知り、自分も関わりたいと思って参加しました。
久保さん:私はエンジニアとして働いていて、開発案件のなかでデザイナーの方がFigmaを使っていたのが出会いです。それまで使っていたツールよりもリアルタイムでの共同編集がとてもやりやすくて、開発スピードや品質が高まっていく感覚をよく覚えています。FoF Tokyoに初めて参加したのは3〜4年前で、最初は技術的なトピックを扱う勉強会でした。
──続いて、今年4月に発足したFoF Tamaについてお聞きします。東京チャプターがあるなかで、なぜ多摩チャプターを立ち上げたのでしょうか。
小泉さん:多摩地区は東京23区より西側のエリアにあたりますが、デザインやWebなどの勉強会が開催されるのは23区内に集中しているのです。やっぱりちょっと遠いですし、夜のイベントは終電の時間もあるので気軽に参加しにくくて。東京の西側には23区とはすこし異なるカルチャーがあるんですが、コロナ禍もあって交流が少なかったんです。Figmaを通じてもっと多様な人との関わりをつくれるんじゃないかと思い、FoF Tamaを立ち上げました。
庄司さん:多摩エリアはベッドタウン的な性質があって、都心とはユーザー層が違うと思っています。Figmaをデザインツールとして認識している人たちだけではなく、もっと広い層に届けたいです。お子さんといっしょに家族で参加できるイベントを開いて、お子さんにもFigmaやデザインの面白さを伝えていけたらよいですね。
コミュニティを「運営する」ということ
──コミュニティは、一種のプロダクトとしても捉えられると思います。運営の効果測定やフィードバックの反映などについては、どう考えていますか?
木原さん:FoFはボランティアとしての活動なので、数字を明確に追っているわけではありません。Figmaが好きな人が集まるコミュニティという点は大切にしています。イベント開催後には毎回アンケートを取って、満足度や期待値と合っていたかを確認していますし、次回への要望や課題があれば反映するようにしていますね。
久保さん:一度参加した人がまた何度も足を運んでくれるというのは、一つの指針になるんじゃないでしょうか。Figmaが好きで愛着を持っている人たちが増えることで製品の売上につながるかどうかは分かりませんが、企業だけではリーチできないところまでコミュニティ活動によってリーチできる可能性はあると思います。
庄司さん:多摩チャプターの立ち上げ当初は、KPIを設定したほうがいいのかなとも考えたんですが、最初のイベントをやってみて考え方が変わりました。参加してくれた方が楽しめて「また来たい」と思ってもらえるようなコミュニティになることが、多摩チャプターとして目指すべき姿なんだと思っています。
──他のコミュニティとの差別化で意識していることや、今後目指したいことはありますか?
木原さん:東京にはいろいろなタイプの勉強会があって、学びを仕事に活かすイベントはすでにたくさんありますよね。FoF Tokyoは、普段はそういった勉強会に参加しない人にも「行きたい」と思われるコミュニティにしたいと考えています。そのために、トークセッションの登壇経験はないけれどSNSで積極的に発信している方を探して交渉したりしました。そうした点でも、他の勉強会やイベントとの違いを出していこうと思っています。
久保さん:FoF Tokyoは約1300人の参加者がいるので、これまでの形をあまり崩さずに、さらに皆さんが参加しやすい場所を提供していくことを意識しています。ユーザーコミュニティへの関わり方や期待することは人それぞれで違いますから、その多様な感覚や考え方をお互いに学んでいける環境を提供していきたいですね。
小泉さん:他のチャプターのやり方もおおいに参考にしていますが、 FoF Tamaとしては「こういうコミュニティに参加することが楽しい」と感じてもらうのが目標です。参加してくれた人が新しい一歩を踏み出すために、私たちが後押しできたらいいと思っています。
──今年5月にFoFのブランドリフレッシュが実施されましたが、どう受け止めましたか?
木原さん:FoFのブランドキットは以前から提供されていて、それが刷新されましたね。世界中のチャプターの個性を出せるカスタム性があり、実際に使ってみて面白いなと感じました。移行期間の余裕もあったので、迷うことなくスムーズに置き換えできていたと思います。グローバルで一斉に新しいブランドに切り替わっていく様子を一緒に体験できたのは、個人的には興味深かったです。
──最後に、FoFへの参加や、自分でコミュニティを立ち上げることを考えているプロダクトマネージャーへメッセージをお願いします。
木原さん:Figmaというとデザインツールのイメージが強いと思いますが、実際にFoFに来てみるとデザイナーではない人がたくさんいます。プロダクトマネージャーの方もいますし、職種は関係ありません。
久保さん:FoFはそれほどハードルが高いコミュニティではないので、まず参加してみてもらいたいです。近くにFoFチャプターがなくても、数人が集まるだけでもコミュニティは十分成り立ちます。ハードルをあまり高くせず、気軽に始めてほしいですね。
小泉さん:やりたいと思ったら、始めてしまえばいいと思います。ボランティア活動としてやるのであれば、失敗しても誰かに怒られるものでもありません。まずは自分が楽しめることが大事で、そこから輪が広がっていくのだと思います。
庄司さん:Figmaのように著名なプロダクトではなくても、時間を掛けて質の高い活動を続けていくことで人は集まってくるものだと思います。最初は集客に苦労するかもしれませんが、焦らずにやっていくのが一番です。
