プロダクトマネージャーの本当の悩み
本連載のテーマは「他部署と経営陣に信頼されるプロダクトマネジメント」です。プロダクトマネージャーが対面するステークホルダーの中で社外ではなく社内、その中でも特にビジネス部門や経営陣とのコミュニケーションや関係構築について扱います。
近年、プロダクトマネージャーという職種の知名度も向上してきており、関連する記事や書籍、イベントも増えています。そこで頻繁に取り上げられるテーマとしては、プロダクトマネージャーの役割やキャリア、ユーザー理解やリサーチ、開発チームとの連携や開発プロセス論などが挙げられます。
しかし、実際にプロダクトマネージャーが日々の現場で苦慮していて頭を悩ませているポイントは、もっと他のところにもあるのではないでしょうか。夜も眠れないほど悩む問題は、実は開発チームとのやり取りではなく、他部署や経営陣との関係性から生じている、というケースも多いと思います。
例えば、プロダクトマネージャーとして、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
- カスタマーサクセス部門から、チャーン防止のための機能要望が大量に来て、対応しきれない
- セールス部門から、大口顧客獲得のための特別対応を求められるが、技術負債となりそうで回避したい
- 経営陣に、プロダクト開発の考えが伝わらず、実情に合わない指示が来る
そのような悩みに対して、少しでもヒントを持ち帰っていただくことが、本連載のゴールです。heyのプロダクトマネージャー陣が「他部署や経営陣に信頼されるプロダクト開発」を実現するために工夫していることや、悪戦苦闘の経緯などを、なるべく具体的な事例を紹介していきたいと思います。
本連載で取り扱う課題
具体的に取り扱う事例は下記を予定しています(内容や順番は変更になる場合があります)。
- ビジネス部門から寄せられる開発要望にどう対応するか
- セールスチームとプロダクトマネージャーが連携した大手顧客対応
- ビジネス部門を巻き込んだロードマップ策定
- オペレーション部門とプロダクトマネージャーの共同開発
- M&Aを活用したプロダクト価値向上
- 経営思想をプロダクト開発に組み込むには
逆に、下記のような「他部署や経営陣との関係」に該当しない内容はスコープとしません。
- ユーザー、パートナー企業、株主、社会などの「社外」との関係性
- エンジニア、デザイナーなど、社内でも「開発チーム」との関係性