プロダクトマネージャーを対象としたカンファレンス「プロダクトマネージャーカンファレンス 2021(pmconf 2021)」が10月26日にオンラインで開催された。2016年から毎年開催されており、コンセプトとして「プロダクトマネージャーが世界を救う」を掲げている。
2021年に設定されたテーマは「非連続な環境、非連続な変化、非連続なプロダクト」。
プロダクトマネージャーカンファレンス実行委員会の横道稔氏は、テーマ設定の背景について、「プロダクトマネージャーという役割や仕事の認識が拡大する一方で、プロダクトマネジメントがユーザーの価値やビジネスを最大化し、より重要な課題を解決することで『世の中を変えていく』ためには、非連続な思考を持つことが必要だと考えた」と説明した。
カンファレンス自体も非連続なアウトカムを出すべく企画したという。また、連続的な思考や仕事の積み重ねの大切さにも言及した。
登壇者も「非連続な挑戦をしている人たち」という観点で選抜され、「参加者には非連続な変化とは何かを考えてもらいながら、連続的なものの重要性も相対化して考えてもらうきっかけとし、明日からのアクションにつなげて欲しい」と述べた。
登壇セッションは公募を主体に集められ、5トラック39セッションが限定公開のYouTubeライブで講演された。
昨年に続き、ボイスチャットサービス「Discord」のサーバーが用意され、セッションに対するコメントや、参加者どうしや登壇者、スポンサーと交流する場など、オンラインではあるが、参加者どうしでつながり、会話が生まれるような工夫が行われている。各トラックの実況用、登壇者に質問するAsk the speaker用の他、WAIWAI(わいわい)と呼ばれる参加者が自由なテーマでチャンネルを立てられるスペースも用意されていた。
また、noteの記事「pmconf 2021の歩き方」や、Discord上でのチュートリアル、運営への質問、FAQのチャンネルなど、新規参加者へのサポートも手厚い。
なお今年は、昨年度の参加者の声を反映して、セッションの録画を後日公開する予定も発表された(追記:参加者にはいち早く10月28日にアーカイブ動画が共有された)。セッションの振り返りや、同時間帯の裏番組のため断念したセッションの視聴なども行えるようになった点がうれしい。イベント参加者以外にも、参加者より少し時間をおいて一般公開する計画だともいう。
また、横道氏は今年度の参加者の傾向についても紹介した。
来場者数は初年度の405名から指数的に数を伸ばし、今年は昨年の2倍以上にあたる4000名を超える規模に達するなど、非連続的な成長を遂げている。なお、プロダクトマネージャーカンファレンスは昨年度から従来までのオフライン開催に代わりオンラインとなり、今年は参加費無料となった。
顧客満足度を測る「NPS(ネットプロモータースコア)」もプラス値で安定している一方で、伸びしろがあるともし、参加者のペインポイントやイベントでの気づき、提案といったフィードバックを求めた。
来場者の約1/3がリピータで、残りは初参加となっている。
職種としては、参加者の4割がプロダクトマネージャー、13%がエンジニアと続く。約1600名以上のプロダクトマネージャーが一同に集ったことになる。
プロダクトマネジメントの経験年数としては、未経験~1年未満が約半数と多く、6~10年以上のシニア層が約1割を占める。担当業務としては、B2Bの自社プロダクトが44%、B2Cの自社プロダクトが33%という傾向だった。
所属組織の従業員規模としては、100~1000人の層が一番多く、それ以外は、少人数から大規模まで広く分布している。
イベント開催には、計32社(ゴールド8社、シルバー24社)のスポンサー企業が支援を行った。
ウェブで「#pmconf2021」のハッシュタグで検索をかけると、登壇資料や参加者レポート、当日の感想などを探すことができる。
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斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)
株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテック...
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