プロダクトマネージャーとして予約チームにジョイン
「STORES 予約(旧Coubic)」は2020年7月にヘイにグループジョインしたCoubic社が運営していた予約サービスです。現在はサービス名をCoubicから「STORES 予約」と変更して運営しています。
当時、ヘイの別プロダクトでプロダクトマネージャーをしていた私は2020年12月から「STORES 予約」にプロダクトマネージャーとして関わるようになりました。新しい組織に入り、拡大するビジネスチームと一緒に進めてきたプロダクトマネジメントでぶち当たった壁の数々をご紹介したいと思います。
「誰の何を解決するプロダクトか」があいまい問題
「予約」という行為は、どの業種でも広く日常的に行われている作業です。関わり始めた当時、「STORES 予約」を分析してみたら、幅広い業種の方々が色んな使い方をしているサービスでした。
当時はフルタイムのプロダクトマネージャーがCoubic社にいなかったこともあり、「誰のどういう課題を解決するのか」というプロダクトのセンターピンがうまく決まっていない印象を受けました。
プロダクトで注力すべき顧客像が組織全体で定まっていない問題点として、以下のようなことが挙げられます。
- プロダクトで注力していない顧客をマーケ/Salesが獲得してしまう(結果的にチャーンする)
- プロダクトで注力していない顧客をカスタマーサクセス(CS)で重点サポートしてしまう
「STORES 予約」はSaaSビジネスになっており、マーケ/セールス/カスタマーサクセスはTHE MODEL[※1]を意識して組織されています。プロダクトとして「誰の何を解決するのか」というセンターピンは事業全体の背骨となり、ビジネスチームの動き方にも影響を与えます。
とはいえ、チームにジョインしたばかりでは何も分からないので、カスタマーサクセスチームのオンボーディングやセールスチームの商談に同席させていただき(オンラインでの対応が多かったため、短期間で数をこなせました)、定性的に顧客の解像度を高める時間を取りつつ、事業数値やKPIなどの定量的な分析も並行して実施し、プロダクトとして狙うべきターゲットを議論していきました。
また、プロダクト方針は一度決めて終わりではなく、競合、市場環境、自社の戦略変更により継続的にアップデートし、事業全体に共有することが重要です。そのため、月1回の「プロダクト戦略会議」を設け、プロダクトマネージャーが直近のロードマップを共有し、中長期的な戦略を議論する場を設定しました。
この会議は誰でも参加できるオープン形式で実施しており、毎回数十人が参加をするようになりました。この会議を開始して数か月経つのですが、一番うれしかった反応は、カスタマーサポートの方が数か月先のロードマップを意識して積極的にオーナーさん[※2]からのご要望を集約してくれたことです。ロードマップをオープンかつ積極的に共有することにより、ビジネスチームを巻き込んだ未来のプロダクト開発に目線をあわせることができるようになってきました。
[※2] 社内ではSTORESのサービスを契約してご利用いただく方を「オーナーさん」と呼んでいます。