編集部注
本稿は、CodeZineに掲載された、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers Summit 2022(デブサミ2022)」のセッションレポートを転載したものです。プロダクトづくり、プロダクトマネジメントに近しいテーマを選りすぐってお届けします。
はてなでMackerelが生まれたワケ
まずはMackerelが誕生した背景について見ておこう。はてなは2001年7月の設立以来、「はてなブックマーク」「はてなブログ」「人力検索はてな」といった数々の個人向けWebサービスを提供してきた。当初はオンプレミスで運用していたが、2011年から本格的にクラウドに移行。サーバー2000台規模にまで順調にシステムが拡大していく中、スプレッドシートでの管理が限界を迎えようとしていた。
はてなでは、監視システムの「Nagios」、構成管理ツールの「Chef」、デプロイ自動化ツールの「Capistrano」など、さまざまなサーバー管理ツールを組み合わせてサーバー管理の効率化を図っていたものの、目的別にツールが存在することで、ホスト情報が分散してしまうなどの課題を抱えていた。そこで、ホスト情報を一元管理しながら、周辺の各ツールと疎結合に統合できるものをフルスクラッチで作ることに。この社内向けのシステムがMackerelの原型となる。
そうして社内運用で培ったノウハウをサービス化すべく、概念やUIのブラッシュアップを図るとともに、システムは一から作り直した。Mackerelのベータ版が公開されたのは、2014年4月。当時はAWSが本格的に普及し始め、DockerやKubernetesなどのツールが登場したことで、「サーバーを使い捨てる」思考へと転換が起きていた。そんなImmutable Infrastructureの実現を支援するサービスの構築に向けて、はてなのエンジニア陣は自らの知見をMackerelに詰め込んでいったのだ。
「今の時代のシステムは作って終わりではなく、正解がない中で試行錯誤しながら、運用段階で育てていくことが大切。『MackerelをPDCAのスタート地点にしてもらいたい』という想いから、導入の敷居を下げてすぐに始められるようにしたり、分かりやすいUIで直感的に操作できるようにしたりしながら、クラウド時代のプラクティスの提供を目指している」(渡辺氏)
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