VOCの分類・分析で効力を発揮する「Flyle」のAI
AIの可能性について紹介した財部氏は、「Flyle」にもAI活用の機能を追加し、業務効率化の取り組みを実施しているとした。特に注力しているのがVOCの分類・分析で、2023年3月ごろから10社ほどの顧客とPoC(概念実証)を重ねてきた。
VOCには、製品改善に活かすために必要な情報が多く眠っている一方、大量に集まる顧客からの声を継続的に分析し、次の改善に活用することは困難を極める。「Flyle」ではそれらを解消する3つのソリューションを開発している。
1つ目は「自動分類・分析」。大量のVOCの自動分類、感情分析、キーワード分析、課題の分析などが可能となり、VOC分析・分類業務を圧倒的に効率化・高度化することができる。2つ目は「レポートによるビジュアル化」だ。AIによるVOCの分析結果を多様な形式で集計・レポート化できる。3つ目が「実務に使いやすい形のアウトプット」で、製品企画に特化した機能として、タグやキーワードの自動分類、課題のグルーピングなどが可能。
また、AIのアウトプットを手動で修正していくことで、自己学習が進み、分析の精度が向上していく。
「Flyle」にVOCのデータを取り込むだけで、ポジティブ、ネガティブ、ニュートラルなどの感情分析や、さまざまなトピックやキーワードに基づくタグの自動付与分類が可能である。また、異なる表現であっても同じ意味合いのVOCを高い精度でグルーピングする機能も提供されている。例えば、ユーザーからのフィードバックで「検索のスピードが遅い」といった指摘や、「ある機能への動線が分かりづらい」といった声があった場合、自動で関連する課題にグルーピングされる。
VOCはさまざまな形式や長さで存在するが、AIはこれを自動で要約し、感情分析を行うだけでなく、適切なタグを自動で付与する。タグ付けに違和感がある場合、手動での調整も可能だ。
財部氏は、このAI機能について、PoCに参加している顧客との綿密な対話によって精度を高めていると語る。実際、ある顧客では、これまでスプレッドシートを使って毎月1000件以上のフィードバックの分類作業をし、約150時間を費やしている作業時間をわずか2〜3時間に減らしたという。
ChatGPTのような汎用的なAIツールは手軽に幅広い用途で使えるものの、自社固有のデータや機密情報をもとにした分析や大量のデータ処理は難しいため、継続的に実業務で活用していくためには、「Flyle」のようにその業務に特化したAIツールを活用することが望ましい。また、「Flyle」にはAI機能だけでなく、外部ツールとの連携やエンドユーザーからVOCを集めるサーベイ機能もあるので、データの収集・分析・ロードマップの作成までプロダクトマネジメントのワークフローを一気通貫で支援できる。財部氏は最後に次のようにコメントした。
「業界や職種を問わず、顧客の声を活用したユーザー中心のプロダクト開発を推進していきたい方、事業成功に必要不可欠なプロジェクトマネジメント体制を構築していきたい方のお力になれることも多いと思います。各社にあわせたトライアルプランを提案いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください」
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