編注
原文:「How fintech companies can use product analytics to improve customer lifetime value」
翻訳にあたり若干加筆修正を行っています。
フィンテック企業におけるデータの重要性
プロダクト分析を使えば、カスタマージャーニーを理解できるようになります。顧客エンゲージメントを向上し、LTVを向上させるための革新的なインサイトを得ることが可能です。
銀行・金融業界は、この15年間に多くの劇的な変化を経験しました。特に金融サービスでは、消費者にとってさらに身近なものとなりました。従来型の銀行は、不安定な金利と全体的に低い貸付の増加に悩む一方で、金融テクノロジー(フィンテック)やプラットフォームベースの競合他社との、リテールにおける競争の激化をかわさなければならなくなりました。こうした流れすべてが従来型の銀行の収益性を脅かしています。
一般的なユーザーの携帯電話には、以前よりも多くのオンラインバンキング、金融取引サービス、電子マネーのアプリがインストールされています。ソーシャルレンディング(融資仲介サービス)、マイクロクレジット(小口融資)、会計の各分野では、さまざまな企業がそれぞれの領域で勝者となるべく競い合っています。このような背景から、フィンテックにおけるビジネスアナリティクスの市場規模の評価は、2021年には世界で31億ドルとなりました。2031年には229億ドルに達し、2022年から2031年までの年平均成長率は22.4%になると予測されています。
成長中の業界であるフィンテックが注目すべき最も価値のあるデータは、プロダクトの利用状況です。プロダクト分析を使う企業は、ユーザーが自社のサービスにどのように関与しているか、あるいは 関与していないかの傾向やパターンを特定できるようになります。こうしたデータを基に、プロダクト機能の追加や廃止、販売やマーケティング戦略の推進といった、ビジネス上の意思決定に役立てられるようになるのです。
最近のフィンテックユーザーは、より柔軟なカスタマージャーニーを求めており、ある調査では、マルチチャネルでのやり取りを好むユーザーが71%にも達していることが分かっています。さらに、フィンテック利用者の25%が、必要なときに利用できるリモート有人サポート付きの完全なデジタルバンキング体験を望んでいます。
フィンテック企業は、データを活用して顧客理解を深めることで、こうしたニーズを特定して、ターゲットを絞ることが可能となります。
フィンテック業界におけるプロダクト分析の役割(1)
プロダクト分析の役割は実にシンプルなものです。 フィンテック企業は、ユーザーのバンキング行動に関する重要な情報を簡単に収集・分析することで、ペインポイントを特定できます。このペインを解決すべき目標を定めて対応することで、より良いソリューションを構築できます。
プロダクト分析を使えば、こうした行動分析主導の開発スタイルが可能となり、結果として顧客サービスの質を大幅に向上させることができます。ライブチャットや自動窓口、チャットボットといったテクノロジー主導のサービスチャネルを改善することもできます。
フィンテック企業が行動データをよりよく理解するためには、強固なプロダクト分析フレームワークが必要です。多くのフレームワークで、ある程度の差異はあるもののアダプション、エンゲージメント、リテンション(維持)は普遍的な指標であり続けています。
Mixpanelは世界中の革新的なフィンテック企業をサポートしており、オンボーディングの効率化、パーソナライゼーション/ユーザーセグメンテーション、長期的なユーザーリテンション(維持)に関する非常に重要な質問への回答を提供しています。
それぞれの要素について、さらに詳しく掘り下げてみたいと思います。