リサーチで顧客を知ることは、プロダクトで新たな価値を創出する武器になる
内藤氏は最後に、自社で提供する調査の支援サービス(デザインリサーチ)の手法を2つ紹介した。
「ユーザビリティテスト」は、目の前でユーザーにWebサイトやアプリの操作をしてもらって「ここが使いにくい」「あそこがおかしい」といった課題を発見する調査だ。この調査では、ログ解析だけでは分からない、UI上の原因やユーザビリティの課題が抽出でき、ユーザーの離脱に至る理由を明らかにできる。また、実際のユーザーによる利用場面を観察することで、想定外の課題を発見することも期待できる。さらに、関係者間で実際のユーザーのリアルな情報を共有できるメリットもある。
「エキスパートレビュー」は、専門家がユーザーの代わりに操作をして課題を発見する。この調査は、プロトタイプを評価したい場合など、まだ一般の人が操作する段階でなくても一時的な評価が必要なときに役立つ。また、新しいサービスで情報漏えいを防ぎたい場合など、一般の人に操作させることができないときもある。そうした場合、ユーザビリティの専門家や顧客理解に詳しい人物が実際に操作し、不具合を探ることがある。
専門家による評価では、見た目や使い勝手などさまざまな点を考慮する。例えば、採用情報のページなら、志望者がどのようなプロセスを踏んで応募に至るか、ということを仮説として立て、その気持ちになって実際に操作する。そうすることで、「提供者側が最も伝えたいと思っていることにユーザーが気づきにくい」など、サイトの課題が次々と見えてくる。その結果、課題の詳細についてロジカルに説明可能となり、具体的な改善点も明確になる。
電通マクロミルインサイトでは、このような人間中心やUXの観点から製品やサービスの開発・改善を支援している。また、調査結果に基づいたプロトタイプの制作やシステム開発など、実行フェーズの支援も行っている。内藤氏は最後に「顧客を知ることで、既存のプロダクトの改善や新しいプロダクトの創出、またUI/UXの向上など、さまざまな場面で役立ちます。そういった意味で、リサーチは非常に有効です」とコメントし、同社サービスの利用を促した。
ユーザー体験を最適化するためのデザインリサーチ
デザインリサーチとは、製品やサービス(以下、プロダクトと称する)の開発に向けて、ユーザーの声を聞き、理解し、反映させるための調査手法です。ユーザー体験(UX)を向上させるために、インタビューや行動観察、データ分析などを通じて、新たなアイデアを得たり、改善すべき点を見つけることができます。
電通マクロミルインサイトのデザインリサーチは、豊富な経験と知識を活用してユーザーの真のニーズを見つけ出し、定量的な分析やアクセス解析を活用して、より深いインサイトを提供します。本記事で興味を持たれた方は、電通マクロミルインサイトからお問い合わせください。