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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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イベントレポート

プロダクトマネージャーは経営視点をどう身につける?──経営シミュレーションゲームによる実践的な学びのススメ

「PM Academia #1」イベントレポート

 プロダクトが企業の競争力に直結する現代において、プロダクトマネージャー(以下、PM)の重要性はますます増しています。「Mini CEO」とも呼ばれるPMには、広い視野と高い視座を持ち、プロダクトを通じて経営目標を達成することが求められますが、日本にはPM向けの学びの場がまだまだ少ない状況です。そこで、次世代リーダーの育成に取り組むスコレ株式会社は、PM向けの学習機会を提供するため、9月29日に「PM Academia #1」を開催しました。本レポートでは、PMが経営視点を持つ意義と、経営シミュレーションを通じた学びについて詳しく紹介します。

プロダクトマネージャーに求められる3つの領域

 PM Academiaは、Product People株式会社 代表取締役であり、多数のSaaS企業やエンタープライズ企業にプロダクトコーチングを提供する横道稔氏(@ykmc09)によるセッションから始まりました。「PMはどのようにビジネス視点、経営視点を身につけるか?」をテーマに、まずPMに求められる役割について語られました。

 プロダクトとは、モノではなくTechnology、Users、Businessの3つの関係そのものを指す、と横道氏は言います。その概念を抽象的に表現したものが「プロダクトトライアングル」と呼ばれる三角形です。

出典:Product Logic,「A Visual Vocabulary for Product Building」(2014年9月13日)
出典:Product Logic,「A Visual Vocabulary for Product Building」(2014年9月13日)/(日本語訳

 プロダクトをつくる人たちには、大きく分けて3つのタイプが存在します。まず1つ目は、バーテックス(頂点)ビルダーです。プロダクトトライアングルの頂点であるTechnology、Users、Businessのいずれかに優れていますが、他の2つについてはほとんど知らない人を指します。例えば、Technologyに対する強みを活かして技術的な課題に取り組み、ビジネスやユーザーには関わらないエンジニアは、Tビルダーといえます。

出典:Product Logic,「A Visual Vocabulary for Product Building」(2014年9月13日)

 2つ目はエッジビルダーと呼ばれるタイプで、プロダクトトライアングルの2つの頂点をつなぐ役割を持ちます。デザイナーやエンジニア出身のPMは、このTechnologyとUsersの両方に強みを発揮するTUエッジビルダーとして活躍する人が多いでしょう。しかしこれだけでは不十分です。

出典:Product Logic,「A Visual Vocabulary for Product Building」(2014年9月13日)

 3つ目はフルトライアングルビルダーです。Technology、Users、Businessのすべてに精通している人を指します。「本来、PMはこのフルトライアングルビルダーであることが求められる」と横道氏は強調します。

出典:Product Logic,「A Visual Vocabulary for Product Building」(2014年9月13日)

 プロダクトは、顧客・ユーザーの課題をテクノロジーで解決し、ビジネス成果を上げるために存在します。そのため、プロダクトをマネジメントする役割には、Businessの領域も含めて理解している必要があるのです。

 また、PMとしての役職が上がるほど戦略的な仕事が求められますが、プロダクト戦略は単体で考えるものではなく、プロダクトビジョン、そしてビジネス戦略と整合させる必要があります。

出典:Institute of Product Leadership,「How to Become a Product Manager」(2023年2月20日)

 つまり、PMとして提供価値を大きくしていくためには、Technology、Usersの領域だけでなく、Businessまでカバーすることが重要であり、ビジネス視点や経営視点を身につけることが不可欠なのです。

次のページ
経営視点を身につけるには? 内発的動機と定着率を高めるために

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この記事の著者

須藤 奨(スコレ株式会社)(スドウ ショウ)

スコレ株式会社 代表取締役。LINE株式会社にて広告事業本部長を務め、年商1,000億円規模のインターネット広告事業、プロダクトマネジメント組織を統括した後、スコレ社を創業。現在は経営シミュレーションを活用した次世代リーダー育成に取り組みながら、兼業先のデジタル庁では日本のDXに取り組む。早稲田大学大学院 経営管理研究科卒(MBA) / インド経営大学院バンガロール校(留学)/ X: @Sudo_Sho

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/2974 2024/10/31 11:00

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