プロダクトマネージャーに求められる3つの領域
PM Academiaは、Product People株式会社 代表取締役であり、多数のSaaS企業やエンタープライズ企業にプロダクトコーチングを提供する横道稔氏(@ykmc09)によるセッションから始まりました。「PMはどのようにビジネス視点、経営視点を身につけるか?」をテーマに、まずPMに求められる役割について語られました。
プロダクトとは、モノではなくTechnology、Users、Businessの3つの関係そのものを指す、と横道氏は言います。その概念を抽象的に表現したものが「プロダクトトライアングル」と呼ばれる三角形です。
プロダクトをつくる人たちには、大きく分けて3つのタイプが存在します。まず1つ目は、バーテックス(頂点)ビルダーです。プロダクトトライアングルの頂点であるTechnology、Users、Businessのいずれかに優れていますが、他の2つについてはほとんど知らない人を指します。例えば、Technologyに対する強みを活かして技術的な課題に取り組み、ビジネスやユーザーには関わらないエンジニアは、Tビルダーといえます。
2つ目はエッジビルダーと呼ばれるタイプで、プロダクトトライアングルの2つの頂点をつなぐ役割を持ちます。デザイナーやエンジニア出身のPMは、このTechnologyとUsersの両方に強みを発揮するTUエッジビルダーとして活躍する人が多いでしょう。しかしこれだけでは不十分です。
3つ目はフルトライアングルビルダーです。Technology、Users、Businessのすべてに精通している人を指します。「本来、PMはこのフルトライアングルビルダーであることが求められる」と横道氏は強調します。
プロダクトは、顧客・ユーザーの課題をテクノロジーで解決し、ビジネス成果を上げるために存在します。そのため、プロダクトをマネジメントする役割には、Businessの領域も含めて理解している必要があるのです。
また、PMとしての役職が上がるほど戦略的な仕事が求められますが、プロダクト戦略は単体で考えるものではなく、プロダクトビジョン、そしてビジネス戦略と整合させる必要があります。
つまり、PMとして提供価値を大きくしていくためには、Technology、Usersの領域だけでなく、Businessまでカバーすることが重要であり、ビジネス視点や経営視点を身につけることが不可欠なのです。