アルファ室におけるプロダクトマネージャーの定義
プロダクトマネージャーは、そもそも会社や事業フェーズによって求められることが変化するので、定義があいまいであるとよく言われています。
特に、横断組織アルファ室におけるプロダクトマネージャーは、以下のようなスキル・業務を重要視しています。
- DMMプラットフォームを一つのプロダクトとして体験設計する
- 事業個別の優先度や状況を理解し、全体としてのロードマップを都度調整する
- 複数の各事業部長ならびに各経営層との合意形成・優先度決定を担当する
少し難しい言葉になってしまったので、次に分かりやすく、4つのテーマに分けて具体的な特徴を紹介します。
役割(1)戦略と実行の整合性をとる
部分最適と全体最適のバランスを取るための第一歩は、「経営層の戦略」と「実行現場の実現性」を整合させることです。
私たちはまず、CxO陣をはじめとする「経営層の意図」を正確に受け止めることからスタートします。多くの場合、現場との間にギャップが存在するため、その意図や状況を的確に吸い上げ、経営判断の材料として整える役割を担います。
特に注意が必要なのは、誤った情報が経営層に伝わり、それに基づいて誤った判断が下される事態を避けることです。また、現場の課題に過度に注目しすぎないことにも注意が必要です。現場の声を取り入れることは大切ですが、最終的には経営者の視点で対話を進めることを忘れてはいけません。
役割(2)多様なステークホルダーとの合意形成
(1)の役割を遂行しようとすれば、自ずと多くの関係者との調整ごとが発生することがお分かりいただけると思います。「現場」と一言に言っても、多様な部署の意思決定者と直接コミュニケーションを取ることが基本となります。
調整力が肝になる仕事です。
会話する順序や、情報を整理する順序など、ボタンのかけ違いで違う方向にも倒れてしまう調整ごとを、きっちりと正確にこなすスキルが、アルファ室のプロダクトマネージャーとして求められてくると思います。
役割(3)幅広い事業やフェーズに対処する理解
DMMの状況としてもう一つ特徴的なことは、幅広い業態であることと、それぞれの事業フェーズが異なることです。
すでに収益を上げているグロースフェーズにある事業もあれば、初期投資を含むゼロイチで立ち上げフェーズの事業もあります。それぞれのポジションや成長フェーズによっては、開発リソースの配分や重要視する観点も大きく変わってきます。
われわれはそうしたステークホルダーに対して、一辺倒に想いをぶつけるのではなく、それこそ現場の状況や事情を丁寧に会話しながら、経営層の意図を最も体現できる形でプランニングをしていくのです。
役割(4)事業PM・オーナー支援
役割(1)~(3)までは、いわゆるプロダクトマネージャーのBサイドの役割です(「横道稔氏の講演」より)。Aサイドのお仕事(顧客価値やビジネス活動に直結する仕事)ももちろん役割としてあります。
例えば、あらゆる状況の事業に突然入り込み、適切な手法を用いて成長支援を行ったり、中間に浮いたプロジェクトのオーナーとなったりします。これらのシーンでは、通常のプロダクトマネージャーに求められるスキルを発揮することが自然に求められますし、入れば必ずアウトプットを出すことが期待されます。
すなわち、Aサイドは「できて当たり前」のスタンスで望まなければいけないのです。