データアナリストとの連携で定性・定量を同時に分析
──データアナリストとの連携は、現在どのように行っているのでしょうか?
開発チームには、PMM、プロダクトマネージャー(PdM)、データアナリスト、エンジニア、スクラムマスター、データサイエンティスト、デザイナーといった職種のメンバーがアサインされています。データアナリストが少なくともチームに1人は入り、機能開発の必要性を量的に検証します。
また、リリース後にも必ず検証を行っています。定量的にモニタリングをして、課題があれば定性的な手法含めて原因究明を行う。そうしたことをデータアナリストと連携して実施しています。
開発以外のマーケティングなどの文脈でも、探索したいことがあれば、データアナリストと連携をしています。例えば、「『タイミー』に登録はしたが、まだ働いていない」という方は結構いらっしゃいます。その理由をインタビューで聞くと同時に、もしそのうち10%の方が働き始めた時の事業インパクトはどれほどかといったシミュレーションを、データアナリストに算出してもらうなどしています。量的なデータとあわせることで、ビジネス観点での意思決定がしやすくなります。
定性と定量、どちらの視点でも分析できるのは弊社の強みです。
「やっただけ」にならないように リサーチのゴール設定が重要
──リサーチの実施にあたり、留意している点はありますか?
リサーチを行う際には、必ず計画書を作成しています。
私は「ビジョン」「企業利益」「顧客利益」の3点に貢献する施策につながるアウトプットが生まれるように、リサーチにおける重要なポイントを計画書に言語化して記述するようにしています。成果につながるかはとても重要です。
気軽にリサーチを行うことは良いことですが、一方で「やるだけのインタビューが増えてしまう」という課題も発生します。事前に計画を立てることで少し工数は増えるかもしれませんが、リサーチの質を高めるためには大事なことだと思います。
──後藤さんが、現在課題に感じていることを教えてください。
事業者側のデータベースのクオリティは、もっと上げていけると思います。
現場を知るのはとても大事なことです。開発チームで店舗を訪ね、ワーカーが来た時にどのように受け入れているのかの様子を見せていただく、といったことも行っています。
しかし、データ整備はまだ追いついていない状況です。
企業や店舗ごとに異なる実態があると思うので、事業者側とリレーションの深い営業担当と連携し、情報を拾い上げ、データベースをより充実し使い勝手の良いものにしていく必要があると考えています。
また、実際に働いているワーカーについてはインタビューやアプリ内の行動データから理解が進んでいるのですが、「『タイミー』を知っているけれど、登録していない・仕事を募集していない」というケースの知見が少ないことは、課題です。「タイミー」の求人募集では聞くことができないので、「ユニーリサーチ」のような外部サービスも利用するなどの取り組みも開始しています。