リサーチと事業のつながりを可視化し、さらなる高みへ
──最後に、後藤さんの今後の展望について教えてください。
リサーチへの意識が高く、顧客・ユーザー視点での議論が盛んにされることは、タイミーの文化ですが、さらに高みを目指したいと思っています。
目先の課題にとらわれ、点で解決してしまうと新しい問題が発生してしまいます。いたちごっこになるのは、よろしくない。しっかりと見極めた上で本質的にプラスになることを実践していきたいです。
また、リサーチで得た示唆と事業の成果には少し距離があると感じています。事業の成果に、リサーチで得た示唆や情報がどれほどインパクトを与えたのか。この振り返りを徹底することで、リサーチの成功や失敗の要因を分析し、知見として蓄積することができると思います。そういった可視化にもチャレンジをしていきたいですね。
──ありがとうございました。
インタビューを終えて
今回の取材で非常に印象的だったのが、「ユーザーファーストの文化」と「仕組み化」です。
タイミーの着想は、創業者の小川さん自身がバイトをしていた際に感じた不合理が発端だそうです。その後、ユーザー志向を徹底することで大きな事業成長を実現してきました。今のタイミーのリサーチ文化は、創業者の価値観のもとに集まった社員の自発的な取り組みで、ユーザーの声を聴く仕組みが生みだされたことによって、定着したのだと取材で感じました。
おそらく、いまのタイミーの社員の方々は、仕組みがなくなったとしても当たり前のようにユーザーの声を聞き続けるのだと思います。仕組みをつくることで、リサーチが文化として醸成されるという流れは、再現性がありそうです。読者の中でリサーチのインハウス化に取り組まれている方がいらっしゃれば、ぜひ参考にしてみてください。