はじめに
私が勤めているヌーラボは福岡に本社がありますが、東京、京都にもオフィスがあります。私は主に東京で12年にわたって弊社が提供しているコラボレーションツール(プロジェクト管理ツール、オンライン作図ツール、ビジネスチャットツール)を主に駆使しながらリモートワークをしてきました。その12年のうちに私はプロダクトを立ち上げ、エンジニアからプロダクトの開発課長となりました。
その時間の経過とともに社員数も増え、チームメンバーも増えました。しかし人数が多くなってくると、少人数のときに行っていたコミュニケーションではうまく伝わっていない、どこか納得感が得られていないと感じることが増えました。
そこで、コミュニケーションの取り方、プロジェクトの進め方(合意形成)を何回も重ね、反省を繰り返しながらやり方を変えてきました。今回はプロジェクトを開始し進めていくところで発生するコミュニケーションを例に、どのような方法を取り入れているのか共有してみたいと思います。
ビジョン・ミッションの作成
プロダクトをつくっていく上でさまざまな機能や施策が出てきますが、時間の経過とともに当初思い描いていた目指すべきものが徐々に風化していってしまったと思います。プロダクトに関わって7年ほど経過していますが、作り始めて3年ぐらい経過したあたりからチームメンバーからは、「なぜこれをやるのか?」という疑問が出るようになってきたと感じます。
そこでプロダクトは何を解決していくのか、ユーザーをどういう状態にしたいのか、これらをビジョン・ミッションに当てはめて定義しました。プロダクトを作成する当時も考えていなかったわけではありません。しかし、当時は言葉をドキュメントに落とし込むところまで行っていませんでした。
ビジョン・ミッションを改めて言語化することで、「なぜ私たちがプロダクトをつくるのか?」という疑問に改めて向き合い、チームメンバー全員が同じゴールを向けるところから始めました。ビジョン・ミッションを言語化し、ドキュメントに落とし込むことで、いつでもすぐにそれらを参照できるようにしました。
言語化しドキュメントに落とし込んだことによって、プロダクトの方針を決めるにあたりビジョン・ミッションと合致しているかどうかで判断しやすくなりました。チームメンバーにやりたいことを伝える際にも、それがどう自分たちのビジョン・ミッションにつながるのか説明することで、納得性が以前より増したと考えています。