SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ProductZineオンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

次回のオンラインセミナーは鋭意企画中です。準備が整い次第、お知らせいたします。

ProductZineオンラインセミナー

ProductZineオンラインセミナー

プロダクト時代の新たな事業成長モデル「Product-Led Growth」入門

有料転換率を改善せよ、PLGの運用フレームワークに基づいた施策の考え方・進め方

プロダクト時代の新たな事業成長モデル「Product-Led Growth」入門 第2回


 第1回では、PLG(Product-Led Growth: プロダクトレッドグロース)の概要を説明すると共に、PLGとは「プロダクト」を事業の収益源としてビジネス成長の中心に据え、「プロダクト主導」で推進する事業成長モデルであることをご紹介しました。その中で、ユーザーが「なるほど、これは便利だ!」と感じる「Ahaモーメント(Aha moment)」をプロダクト内で体験し、購入を検討してもらうといったPLGの運用フレームワークも解説しました。今回は、このフレームワークの「①興味・関心」「②Ahaモーメント」「③価値の交換」を中心に、その運用方法についてご紹介します。

PLGの運用フレームワーク(第1回より再掲)
PLGの運用フレームワーク(第1回より再掲)

1. ユーザー行動の把握

 PLGでは、何よりもプロダクトを利用するユーザーの行動を把握することが肝要です。プロダクトによって異なるユーザー行動を、どのようにデータで可視化し、どのように具体的な施策につなげるか。フレームワークだけを見ても、いまいち詳細なイメージが浮かばないかもしれません。そこで今回は、日本を含む世界各国で事業を展開する、あるフィンテック企業の事例を見てみましょう。

 この企業は為替取引に利用できる金融サービスをSaaSで展開しています。限定された機能をフリーミアムで解放し、より充実した機能を使いたいユーザーに対してはサブスクリプションを提供する、といったPLGモデルを運用しています。

 しかしこのサービスでは、無料ユーザーが増加している一方で、サブスクリプションへの有料転換率が1%未満という課題がありました。それを解決するため、担当者は以下の点に着目しました。

  • サービス利用の継続率が高い無料ユーザーが、頻繁に利用している機能の算出

 上記のポイントを確認したところ、サービス利用の継続率が高い無料ユーザーは、主に以下の機能を頻繁に利用していることが判明しました。

  • リアルタイム為替レート機能
  • 為替履歴ダウンロード機能

 「リアルタイム為替レート機能」が頻繁に使われている、という予測は以前からあったものの、「為替履歴ダウンロード機能」も頻繁に利用されていることは、プロダクトアナリティクスのユーザー行動分析によって導き出された発見でした。

 このユーザー行動をより詳細に分析すると、ユーザーは最大6か月単位で為替履歴をダウンロードできる「為替履歴ダウンロード機能」を複数回利用していたことが判明しました。ユーザーはダウンロード期間をずらすことで、6か月ではなく年単位の為替履歴を入手していたのです。つまり、フリーミアムで提供する機能の制限が緩かったのです。

 そこで、フリーミアムでの「為替履歴ダウンロード機能」の利用を1回に制限し、A/Bテストを実施しました。その結果、サブスクリプションへの転換率が75%向上し、売上を大きく伸長させることができました。ユーザーは、「為替履歴ダウンロード機能」を複数回利用できることにサービスの価値を感じていたため、この部分に変更を加えることで、ユーザーが「価値の交換」状態へと遷移したことになります

次のページ
2. 相関関係の算出(マジックナンバー)

この記事は参考になりましたか?

プロダクト時代の新たな事業成長モデル「Product-Led Growth」入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

米田 匡克(Amplitude Inc.)(ヨネダ マサカツ)

 Amplitude Inc.カントリーマネージャー。  三菱電機株式会社 情報技術総合研究所で技術者としてキャリアをスタート。その後、外資系企業に転職し、Gemstar TV Guide で取締役副社長、Entropic Communications で代表取締役社長、Chartboost、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

ProductZine(プロダクトジン)
https://productzine.jp/article/detail/1247 2022/08/29 17:19

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ProductZineオンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング