プロダクト開発の最初のステップは「顧客課題の発見」
プロダクト開発の最初のステップは、「プロダクトの種」を見つけることです。プロダクトの種とは、プロダクトを使う人の立場や視点で捉えた「困りごと、差し迫った状況、切なるニーズ」のことで、これを発見することが何よりも重要です。
BtoC企業、BtoB企業を問わず、ゼロベースで顧客課題を発見する場合は、人々の「悩み」や「モヤモヤ」や「こうしたい」という想いや欲求を、さまざまな視点からあぶり出すとプロダクトの種を効果的に発見できます。そして、その中から「特に深刻だ」とか「お金を払ってでも解決したい」というような切実なものを選定し、その課題を解決する方法を考えます。この解決策、つまりソリューションがプロダクトの原型になります。
プロダクトの種は身の回りにある。顧客の視点で発想する
プロダクトの種を見つけるというと、「難しそうだ」「私には無理」と考えてしまうかもしれません。ただ、プロダクトを開発するみなさんも、視点を変えれば、「顧客」「ユーザー」の一人です。まずは、ご自身が感じている「悩み・モヤモヤ・こうしたい」から考えてみてください。日常の生活や仕事の中で「これができたらいいな」「これがなくなったらラクだ」と思うことを、日ごろからメモするようにしておくとよいでしょう。
プロダクト開発に携わっていると、日常のふとした瞬間に、自分だけでなく他の誰かの「悩み・モヤモヤ・こうしたい」に気づくことがあります。カフェで隣の人から聞こえてくる会話や、電車や雑踏の中での誰かのしぐさで気づくこと、Twitter(現在のX)のつぶやきなどもプロダクトの種を見つけるよい機会です。これはリサーチで言えば、行動観察、エスノグラフィーと呼ばれる手法です。
ただ、難しいことはあまり考えず、どんなにささいなことでも良いので、人の言動や感情でひっかかったことに対し「何に困っているのかな?(原因)」「どうしたいのかな?(対策)」などと考えることから始めてみてください。