必要なスキルとマインドを持ち、関係者に信頼される人を求めて
広瀬氏は次に、理想的なプロダクトマネージャーについて説明した。
マネーフォワードでは「プロダクトの成功のために何でもする人」として、非常に大きな役割と期待値を設定している。自身が担当するプロダクト(ソフトウェアのみならず周辺のサービスを含む)でユーザーに価値を届け、ビジネスの成功に貢献するために何でもする人である。
一般的にプロダクトマネージャーに必要なスキルは、開発、ビジネス、ユーザーの3つの領域すべてを併せ持つ、プロダクトマネジメントトライアングルにおける広範囲なスキルセットが求められる。さらに重要なのは、開発とユーザー、またはビジネスと開発の間など、相反する思想を持つ職種の間をつなぎ、プロダクトの成功のためにバランスをとって判断・実行するスキルだ。
広瀬氏は、スキルだけでなく、プロダクトに関わるすべてを自分ごととして捉え、プロダクトの成功のために何でもすると言う、圧倒的な当事者意識を持つマインドセットも重要だとした。
「当事者意識がなければ、開発とユーザーの間、ビジネスと開発の間などで課題が起きたときに、その課題を自分ごととして捉えて解決しようとせず、その結果、行動、言動が伴わない状況になるのではないかと思います」(広瀬氏)
プロダクトマネージャーが高いスキルやノウハウを持っていても、プロダクトを1人で作ることは不可能である。チームやステークホルダーからの信頼を維持する必要があり、「この人なら安心」と思われる存在でなければならない。これを実現するためには、高いレベルのスキルとマインドセットが必要であり、マネーフォワードではそのような人材の育成に注力している。
なお、マネーフォワードが考える理想的なプロダクトマネージャーについては、CPOである廣原亜樹氏の記事「プロダクトマネージャーという仕事」に詳しい。