経営視点を身につけるには? 内発的動機と定着率を高めるために
では、どのように経営視点を身につけていけば良いのでしょうか。横道氏は、そもそも「何かを学ぶ」際には次の3つのポイントが重要だと話します。
まず1つ目は、内発的動機を自覚することです。成し遂げたいことや好奇心、キャリア上昇志向など、自身が学ぶ強い動機を自覚していることが、スキル獲得において重要な要素となります。
2つ目は、自分自身の得意な学習方法を理解することです。例えば、V(Visual):視覚学習、A(Aural):聴覚学習、R(Read/Write):読み取り・書き取り学習、K(Kinesthetic):運動学習のうち、自分に合った学習方法が何かを知ることで、より効率的に学ぶことができます。
そして3つ目は、体験を通じて必要な学びを身につけることです。ただ見聞きするだけでなく、実際に自ら体験することで学習定着率が飛躍的に向上します。
経営視点を身につける場合であっても、内発的動機を自覚し、自分に合った学習方法を理解した上で、経営・ビジネスを実践せざるを得ない環境に自らを置くことで、その獲得が可能になるのです。
次世代の経営シミュレーション(BMG)を実践
PMとして経営視点を身につける意義と、体験を通じた学びの重要性が語られた後は、スコレ株式会社が提供する企業経営シミュレーションゲーム(Business Management Game/以下、BMG)の実践へ。
PMに求められる経営視点や戦略的思考、財務分析能力など、Technology、Users寄りのPMにとって身につける機会の少ないビジネスコアスキルを、楽しく、実践的に習得することを目指します。
早稲田大学ビジネススクール(早稲田大学MBA)監修のもと開発され、次世代リーダーの育成を目的に同スクールの授業にも導入されているBMGでは、少人数のチームに分かれ、ビジネスモデルの基礎となる製造メーカー企業の経営に取り組みます。
まず、複数のチームに分かれて会社名、経営理念、経営方針、役割分担などを議論し、各チームの社長が企業概要を発表してからゲームがスタートしました。
BMGでは、5000万円の資本金をもとに最大で5年間企業を経営します。市場調査や競合調査を実施し、情報収集・分析を行った上で、立てた戦略に基づき資金調達や人材採用、モノづくり、広告宣伝、販売活動などの行動計画を策定します。
リアルな経営環境の再現を追求したBMGに取り組む過程で、チームごとに活発な議論が行われました。BMGはチーム対抗戦なので、全チームが四半期ごとの意思決定を完了すると、次の期へと進んでいくことになります。
「PM Academia #1」には、LINEヤフー、ログラス、キャディ、メルペイ、セーフィー、カケハシなど15社以上の企業から、プロダクトマネジメントに携わる、PM、Engineer、Designer、BizDevの方々が総勢30名近く参加し、多様性に富んだ議論が展開されました。