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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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「Chatwork」10→100グロースを支えるデータドリブンなプロダクトマネジメントとは?

成長のコアとなるデータ分析環境を刷新し、チームを下支えする「プロダクトオペレーションチーム」

 一方、プロダクトオペレーションチームに所属する田中氏は、データアナリストとして「グロースチーム」「コアチーム」の各チームに対するデータ分析支援を行う。新井氏とタッグを組むことも多く、提示された課題に対し、解明・解決に向けた有効なデータを提供し、時に分析手法などについてアドバイスを実施する。前職のLINE株式会社(現 LINEヤフー株式会社)ではソーシャルゲームの利用率や満足度を高めることを目的とするユーザー分析を担当。HR組織に異動後は「HR Tech」領域のプロジェクトでHR関係データの分析基盤の構築および分析・可視化に関わった。

田中賢太氏

株式会社kubell プロダクトエクスペリエンスユニット プロダクトマネジメント部 データアナリスト

 「私はプロダクトの特定の領域を担当するのではなく、グロースチームとコアチームからの要請に応じて、必要とされるデータや分析領域の支援を行っています。例えば、グロースチームによるインタビューの取り組みでは、プロダクト活用度をもとにヘビーユーザーを分類し、対象となるユーザーを抽出するというアクション支援を実施しました。また、コアチームに対しては、課金導線の改善や、新機能である自分宛て一覧の訴求効果について事前分析を行っています。プロダクトマネージャーがプロダクトの大戦略や方向性を議論する場では、ディスカッションの土台となる分析・データによるファクトを提供しています」(田中氏)

 さらに、それぞれのチームで自立的にデータ分析ができるよう、データ分析環境を整備することも、田中氏をはじめとする「プロダクトオペレーションチーム」の重要な役割だ。

 2023年頃までは、10年分のデータが蓄積されていたものの環境が古く、大量のデータを使っての分析が難しい状況にあったという。ABテストのような分析を行って施策に活かすことはあっても、大きな枠組みの中でユーザー全体の傾向や課題を把握して施策を見出すことは困難だった。

 「アクティブユーザーをどのように定義し、どのように分類するのか。継続率を定義して、モニタリングしていくのか。そうした分析ができるようになったため、個別の課題解決だけでなく、全体に関わる改善活動ができるようになってきました。さらに分析業務が属人化され、チームで自由に分析できる環境が整っていなかったことも大きな問題でした。そこで、まずは新しい分析基盤へ移行してSQLの実行速度を大幅に向上し、データのガバナンスを改善すると同時に、誰もが分析しやすいようにデータの加工を施しました。また、データマートを構築することで、誰が分析してもできるだけ同じ指標で分析できるようになりました。さらに、分析だけでなく、マーケティングツールへのデータのパイプラインを構築し、分析した結果をもとにし、マーケティング施策に活かせる環境も構築しました」(田中氏)

 リプレースや機能追加によって新しい分析環境が稼働するようになり、現在は各チームがそれぞれ分析し、結果や考察を簡単に共有できるようになった。処理速度が高まり、クエリも短時間で返信されるため、分析を含めたPDCAサイクルのスピードが増しているという。

 また、以前は扱えなかった大量のイベントデータを同時に扱う分析も可能になり、ユーザーの行動をより詳細に分析できるようになったことも大きい。それらのデータの積み上げにより、プロダクトの活用における指標設計や、日・週・月のアクティブユーザーの継続率などのモニタリング環境も実現させている。

 「グロースチームにとっての重要指標である『ユーザーの継続率』に影響する機能や要素を特定し、優先順位や改善のインパクトまで、あらゆるステークホルダーと迅速に共有できるようになったことが一番の成果です。必ずしもデータだけですべてが決まるわけではありませんが、全体を整理して捉えられることで『やるべきこと』の優先度が明確になりました。例えば、以前は新規登録やリファラル(招待制)などの新規ユーザーの獲得に注力する傾向がありましたが、分析によって継続率がグロースに重要な指標の一つであるというコンセンサスがとれ、施策の充実へとつながっていきました」(新井氏)

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ユーザー体験のきめ細やかな分析により、施策の解像度や精度が大きく向上

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社kubell

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://productzine.jp/article/detail/3009 2024/12/05 12:00

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