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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

ProductZine Day 2024 Summer

プロダクトマネージャーの心強い味方、ビジネスフレームワーク実践活用術

プロダクトとビジネスの整合はとれていますか?

プロダクトマネージャーの心強い味方、ビジネスフレームワーク実践活用術 第2回


 この連載では、ビジネスフレームワークの活用によりビジネス構想をサポートするSaaSサービスのプロダクトマネージャーをしている今井氏が、自身の経験に基づき、プロダクトマネージャーが抱える悩みや課題を解決するヒントをお届けしていきます。第2回は、実際に新規事業を推進しているプロダクトマネジメント実践者に向けて、解決すべき課題の解像度を高め、優先順位を決めるのに役立つ手法をいくつか紹介します。(編集部)

前回のおさらい

 前回はプロダクトマネージャー(PM)の仕事とは「プロダクトのゴールを設定し、達成のためにステークホルダーを巻き込みながら推進すること」だとお話しました。PMの役割は多岐にわたっていますが、迷った際には「このプロダクトは誰のどんな課題を解決するのか?」と振り返ることで課題の優先度は見えてきます。

 前回の記事はこちら。

 今回は実際に新規事業を推進しているPM実践者へ向けた回となります。

 事業・プロダクトが、想定している顧客に利用いただけているか、顧客の本当の課題はなにか、どんな体験で自社プロダクトを見つけてくれるのか、ビジネスの整合性がきちんと取れているか、そのような注目すべきポイントの解像度を高め、課題をあぶり出す思考法を紹介します。

ビジネス構造を捉えてリスクの高い部分から対応する

 前回、ビジネスを俯瞰するにはビジネスモデルキャンバスが最適だというお話をしました。実はビジネスモデルキャンバスの9項目から、5つのリスクチェックができるのです。課題の優先度に迷っている場合は、視点を変えることで何から着手すべきか見えてきます。

 ビジネスモデルキャンバスの9項目は以下のとおりです。「顧客の課題をどんな価値で解決するのか」「そのためにどのチャネルでどういった関係を築くのか」「関係性を構築するためにどんな活動が必要であり、社内リソースとパートナーリソースはどれくらい必要なのか」「その結果、コストはどれくらいかかり、いくらの利益になるのか」といった視点で整理します。

  • 顧客セグメント(CS)
  • 提供価値(VP)
  • チャネル/販路(CH)
  • 顧客との関係(CR)
  • 収益の流れ(RS)
  • 主要な資源(KR)
  • 主要な活動(KA)
  • 主要パートナー(KP)
  • コスト構造(CS)

 この9項目を5種類のリスクに分類していきます。具体的に見ていきましょう。

ビジネスモデルキャンバスから5つのリスクチェックができる
ビジネスモデルキャンバスから5つのリスクチェックができる

1. 顧客のリスク

 まず「顧客」について失敗する点としては「そもそも顧客がいなかった」という問題です。「顧客は本当にその課題を抱いているのか」を考えましょう。「なんとなくありそうだから」と、勘と経験で考えてはいけません。あらかじめN1インタビューなどを行ったうえで「顧客がいつどこでどのような状況にあるのか」「その状況下で何に悩んでいるのか」「その悩みを現状どう対処しているのか?」を4W1Hであらためて見直しましょう。具体的には以下の3点に注目するとよいでしょう。

  • 確実に購買してもらえるペルソナ(人物像)は発見できているか
  • ペルソナだけでなく「顧客セグメント」が見えているか
  • ターゲットは「代替手段がない」または「競合が入りきれていない弱いセグメント」になっているか

2. ソリューション(提供価値)のリスク

 提供価値では「他社に対する優位性がなかった」という点で間違ってしまいがちです。すでに市場に存在するバリュープロポジションの二番煎じになっては目新しさがなく使ってもらえません。あらためて市場を見渡して独自の提供価値が構築できているかを考えましょう。

 特に以下の4点に注目してリスクを考えましょう。

  • お金を払ってでも購買したくなる価値があるか
  • 構想しているニーズは存在するか
  • 「顧客が何に対してお金を払うのか」が分かっているか
  • 「非購買理由」を避けられているか

3. マーケティングのリスク

 マーケティング戦略において失敗しがちな点は「タッチポイントがなかった」「自社が考えるマネタイズの方法を顧客が良しとしていなかった」などがあります。そもそも使おうとしているチャネルに顧客がいるのか、そしてマネタイズの方法は合っているのか、などを考えなければいけません。ここでいうマネタイズの方法とは「一括支払い/サブスクリプション課金」「アップセル/クロスセル」といった項目になります。顧客へのインタビューを材料にして考えていきましょう。

 特に以下の4点に注目してリスクを考えましょう。

  • 顧客が繰り返し使っているか
  • 購買後の顧客行動が高い解像度で把握できているか
  • そのチャネルを使った場合にCPA(Cost Per Action)よりLTV(Life Time Value)が大きくなっているか
  • オンラインとオフラインのチャネルは見極められているか

4. オペレーションのリスク

 活動をするうえでのリソースが間に合っておらず、破綻してしまう可能性もあります。大前提として「きちんと事業を継続していくためのオペレーションが構築されているか」を見直しましょう。またそのうえで「自社の強みが発揮されているか」を考えなければいけません。パートナーや人員体制として、現状のオペレーションが他社に比べて優位性があるかを見直していきましょう。

 特に以下の4点に注目してリスクを考えましょう。

  • 選択と集中をすべきポイントは見えているか
  • 必要なリソースはあるか
  • パートナーは顧客セグメントの開発と同時並行で進めているか
  • パートナーが参加する「条件」と「制約」は明確か

5. ファイナンス(事業化)のリスク

 ファイナンスの部分はシビアに見ていく必要があります。「KGI・KPIを達成した場合、どのくらいの期間で損益分岐点を迎えるのか」また「その後はどれほどのペースで黒字が拡大していくのか」をきちんと精査することで「そもそもこのビジネスを事業化すべきか」という根本的な部分が見えてきます。コストと収益の数字は市場の人口動態や他社との優位性など、ビジネスモデル全体を俯瞰してみたうえで算出しましょう。

 特に以下の4点に注目してリスクを考えましょう。

  • 圧倒的なコストダウンは可能か
  • かけるべきコストは明確でロジックがあるか
  • 業界のキャッシュポイントは理解できているか
  • 収益モデルは把握できているか、その上でビジネスにフィットする形になっているか

次のページ
ビジネスとソリューションの整合をはかるための各種アプローチ(1)

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この記事の著者

今井 雄大(イマイ ユウダイ)

ハードウェア設計会社エンジニアからWebスタートアップ企業でマーケティング・セールス全般を経て、東京システムハウスに入社。事業責任者として新規プロジェクトを進め、2018年10月に戦略のDXを支援する『BizMake(ビズメイク)』 をローンチ。プロダクトオーナー兼プロダクトマネージャーを担当しなが...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/612 2022/03/31 13:55

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