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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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経営目線でみたプロダクトマネジメントの重要性と、その役割の捉え方

「Retty」はどのようにゼロからプロダクトマネジメントを導入し、コロナ禍を乗り越えたのか?

経営目線でみたプロダクトマネジメントの重要性と、その役割の捉え方 第1回(Retty/前編)

 顧客や市場のニーズを重視し、「プロダクト」の開発やマーケティングなどの施策を設計する「プロダクトマネジメント」への関心が集まっている。企業の経営陣は、プロダクトマネジメントをどのように捉え、どう重要視しているのだろう。今回、Retty株式会社でプロダクト部門執行役員 VPoPを務める野口大貴氏と、エンジニアリング部門執行役員 VPoEを務める小迫明弘氏、エンジニアリング部門 シニアマネージャーを務める常松祐一氏の3名に、同社でのプロダクトマネジメントの変遷と、プロダクトマネージャーの役割について聞いた。前後編に分けて紹介する。

Webとアプリで実名性のグルメサービスを提供する「Retty」──その組織構成は?

 「Retty」は、信頼できる友人や好みの合う人の口コミから自分にぴったりのお店を探すことのできる、実名性のグルメサービスだ。2010年の創業以来、「新たな『食体験』を創り上げ、人生をもっとHappyに」をビジョンに、未来のスタンダードとなる食体験を創るためのチャレンジを続け、2020年には東証マザーズ(現・グロース市場)への上場を果たした。

 RettyではグルメサービスをWeb、アプリで提供。飲食店向けの商品機能としては、飲食店の予約、4000万人以上のRettyのユーザーに向けた広告、営業時間・席数・おすすめメニューの発信といった集客支援プランがある。一方、ユーザーの「好みに合うお店を知りたい」というニーズにも応えている。このように、BtoBの商品機能とBtoCのメディアを統括したプロダクトがRettyだ。

 プロダクト部門執行役員 VPoPの野口大貴氏は、Rettyにおける既存事業のプロダクトオーナーを務めている。

 エンジニアリング部門執行役員 VPoEの小迫明弘氏は、エンジニア全員が所属しているエンジニアリング部門の担当執行役員を務める。エンジニア全体のリソース配分やエンジニアの採用、評価制度の作成を担当。事業に合わせて適切にエンジニアの生産性を上げ、各所の要望に応えていくことをミッションとしている。

 エンジニアリング部門シニアマネージャーの常松祐一氏は、大手電気機器メーカーの研究開発員を経て、2019年にRettyへ入社。BtoC Web/BtoB Web両方の開発責任者に加え、エンジニアリング組織のマネジメント・プロダクト開発プロセスのアジャイル変革に取り組んでおり、顧客にとって価値のあるプロダクトを、チーム一丸となって協力し、短期間にリリースする開発体制のあり方を模索している。

Retty株式会社 プロダクト部門執行役員 VPoP 野口大貴氏(左)/エンジニアリング部門執行役員 VPoE 小迫明弘氏(中)/エンジニアリング部門 シニアマネージャー 常松祐一氏(右)
Retty株式会社 プロダクト部門執行役員 VPoP 野口大貴氏(左)/エンジニアリング部門執行役員 VPoE 小迫明弘氏(中)/エンジニアリング部門 シニアマネージャー 常松祐一氏(右)

 現在のRettyは、「口コミの投稿」「検索」「ネット予約」「飲食店向け商品」の4つのサービスを展開している。

 「投稿や検索機能はリリースしてから長いサービスなので、成熟期にあるかなと思っています。ネット予約は他社と比べて後発のサービスなので、1→10の限りなく1に近いフェーズで、まだまだこれからというところがあります。飲食店向けのサービスは、コロナ禍で市場が変化したことから、改めてPMFを目指しているところです。また、モバイルオーダーをはじめ新規プロダクトも開発しており、これらは0→1あるいは1→10のフェーズです」(野口氏)

 Rettyの開発チームは「大規模スクラム(LeSS)」を導入しており、プロダクト部門とエンジニアリング部門に分かれている。

 プロダクト部門にはプロダクトマネージャー(以下、PM)とデザイナーが所属している。「ネット予約」「人から探す・投稿体験」「飲食店向け」の3つを含む4つのチームに分かれており、1チームは3~4名。ほかにプロダクトディスカバリー(※1)をPMと伴走するデータ分析チームがある。データ分析チームからPMになる人も多く、キャリアラダーとして確立されている。

 「PMも3つの階層に分けています。複数領域を統括するシニアPM、1つの領域を担当するPM、PMとともにユーザーストーリーをリリースするプランナーがおり、現在、シニアPMが1名、PMが4名、プランナーが5名います」(野口氏)

 エンジニアリング部門は4名から構成されるチームが7つあるが、チームごとに役割が明確なわけではなく、基本的にバックログの上から順番に作業を行っている。

 「ただ、それぞれのチームがすべてに対応できるかというとそうではなく、チームによって得意な領域があるので、このチームはこの領域がメイン、この領域はサブ、という感じにはなっています。バックログを1回シャッフルして優先順位を決めた上で、上から順番にそれが得意なチームが取っていくという形です」(常松氏)

(※1) プロダクトディスカバリーについては、RettyのPMメンバーによるリレー連載「思い込みで創らない。アウトカムを生むプロダクトディスカバリーへの挑戦」も参照のこと。

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プロダクトマネジメントができていなかった「0フェーズ」の段階

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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