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ProductZine Day 2024 Summer

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ベルフェイスの根幹"カスタマーサクセス"を実現させるプロダクト開発への挑戦

コロナ禍で必要になった新たなプロダクトデザインコンセプトとは? ベルフェイスの事例に学ぶ

ベルフェイスの根幹"カスタマーサクセス"を実現させるプロダクト開発への挑戦 第1回


 商談などのビジネスコミュニケーションや営業マネジメントを支援するオンライン営業システム「bellFace(ベルフェイス)」。リリースから約5年の現在、約3000社に導入され成長を続けています。特に、コロナ禍で市場やユーザーを取り巻く環境が急激に変化する中、同社はどのようにプロダクト開発を推進したのでしょうか。本連載では、ベルフェイスのプロダクトマネージャーをはじめプロダクト開発に携わる社員が積み上げてきた知見を共有していきます。初回となる今回は、プロダクトマネージャーの石田氏が、コロナ禍での「プロダクトデザインコンセプト」見直しのプロセスをひも解きます。(編集部)

はじめに

 読者の皆さま、はじめまして。ベルフェイス株式会社でプロダクトマネージャーを務める石田と申します。本記事ではコロナ禍において、ベルフェイスで求められたプロダクトデザインの変化に関してお伝えいたします。

 コロナ禍で多くのプロダクトを取り巻く環境が変わり、プロダクトを変化させなければならないという課題に直面したプロダクトマネージャーも多いと思います。ベルフェイスではコロナ禍において、今までとは異なる属性の顧客が増加したことにより、デザインコンセプトの見直しを行いました。本記事ではコンセプト策定までの過程について解説します。

コロナ禍で増えた新たな顧客、しかし課題も

 2015年の創業以来、自社が提供するオンライン営業システムを通じて、営業のオンライン化を啓蒙してきました。2015年当初は日本でインサイドセールスという言葉になじみはありませんでしたが、2019年頃にはその言葉も徐々にIT系の企業を中心に使われるようになってきました。

インサイドセールスの検索推移
インサイドセールスの検索推移

 beforeコロナのベルフェイスでは、顧客1社1社に専属のCS担当が付き、レクチャーを行ってbellFaceの導入支援をサポートしておりました。整備されたチュートリアルもなく、良くも悪くも人力での支援でした。

 2020年1月、僕は入社してすぐに、友人10名にベルフェイスをサポートなしでお試しで使ってもらおうとしました。10人全員がログインしてすぐに「????」となりフリーズしてしまったことをよく覚えています(苦笑)。

 そんなプロダクトの状態だったので、withコロナで一気に注目が集まり、引き合いが増えたときには本当に苦労しました。当時、コロナ対策支援としてbellFaceの無償提供を行った結果、急増したカスタマー1社1社を手厚くサポートすることができなくなり、多くのお客さまに立ち上がりのご不便をおかけしてしまいました。

 これが、プロダクトデザインを見直さねばと思ったきっかけでした。

打ち出した方針と現実のギャップ

 コロナ禍によって急速に広がるオンライン会議・商談のマーケットの中で、プロダクトマネージャーとして掲げた2つの方針の一つが「誰でもつかえるベルフェイス」でした。

誰でもつかえる
誰でもつかえるベルフェイス

 コロナ前はIT系の企業さまを中心に引き合いをいただいていましたが、コロナ禍では、不動産、金融、保険、小売りなど、今までオンライン営業になじみのなかった業界からお引き合いをいただけるようになっていました。この広がりを受けて「誰でもつかえるベルフェイス」を方針として打ち出しました。

 この方針をもとに冷静にbellFaceというプロダクトを見てみると

  • 文字が多く見づらい
  • 情報が多く大切なことが分からない
  • そもそも何していいか分からない

 といった課題が浮かび上がりました。デザインの指針を明確にしない中で、機能が継ぎ足され続けた結果、使いづらいUIになってしまっていたのです。

次のページ
ユーザーの利用シーンの解像度を上げる

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この記事の著者

石田 啓(イシダ タスク)

 2008年株式会社ディー・エヌ・エーに入社。EC事業部(当時ビッダーズ)にて、新規営業の部署に配属。初年度に全社営業MVPを受賞。その後、事業開発グループに異動し、中国EC市場やシニア市場の新規事業調査を経て、ソーシャルゲームの企画部に配属。2011年に独立し、共同購入サービスや台湾ECモールの新...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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