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ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

ProductZine Day 2024 Summer

DXの落とし穴を解決するプロダクトマネージャ―のすすめ

新規事業/新規サービスの立ち上げを指示された──さて、どうする?

DXの落とし穴を解決するプロダクトマネージャ―のすすめ 第3回

 DXやシステム化の実現のためには、戦略とシステムのつなぎ役である「プロダクトマネージャー」の存在が必須である。しかし、事業会社では意外と、その存在も必要性も知らず、プロジェクトをスタートしてしまい失敗することが多い。本連載では、DXやシステム化がうまくいかない事例とともに、プロダクトマネージャーの必要性を訴えていく。第1回では、プロダクトマネージャーとは何か、プロダクトの成功とは何かについて、第2回では、IT部門の課題と解決の方向性について解説した。第3回では、「新規事業/新規サービス」の立ち上げを指示され、市場を見極め、収益をあげるアイデアはあるが、そのアイデアの実現性や技術適応性の検証ができないといった課題をお持ちの「事業部門」のみなさんにとって、プロダクトマネージャーとどんな関わり方をしていけば良いかを見ていく。

はじめに

 読者の皆さんの理解をそろえるために、まずはここ数年の日本の大手企業のDXの取り組みについて触れておきましょう。

 IPAが作成した「DX動向2024」によると、取り組み状況では、2022年の調査と比べて「取り組んでいる」企業は2021年度の55.8%から2023年度の73.7%に増え「DXに取り組むことは、一般化し、取り組み状況は米国企業並みになってきている」一方で、取り組みの成果については「成果が出ている」と回答した企業は米国企業の2022年度89%に比べて、日本企業では64.3%にとどまりました。「DXの取り組みが積極化している一方で、成果は、まだこれからである」と読み取れます。

 私のここ数年の経験においても、製造業の研究・開発部門様や、大手SIerの業界担当部門様、専門商社の事業部門様などをご支援していて、事業アイデアの創出やマーケットの分析では一定以上の強みを発揮しながらも、ユーザーメリットやユーザー体験を想定したサービス開発と、それを前提としたビジネスモデル開発、ビジネス計画策定となると止まってしまう傾向が見受けられます。デジタル技術を前提としたビジネス作りの経験者や受け皿組織が社内に存在していないのです。ましてや、新規事業の立ち上げという性格上、高価で時間のかかる外部コンサルを雇うことも投資対効果が合いません。

新規事業/サービスの成果を求められる事業部門の苦悩

 もちろん実際の現場では、それぞれの企業の在り方や企業文化に応じて、さまざまな阻害要因があります。

 例えば、研究・開発部門を中心に新規サービスの企画をすると、市場を知るためにマーケティング部門、お客様を知るために営業部門、サービス企画/開発のための手段とコストを知るためにIT部門に相談を行いますが、部門をまたいでの協業の壁にぶつかってしまいます。また、経営陣からは大きな成果を見込んだビジネスプランを求められ、IT部門からは既存データを活用したり、まったく別の技術要素を使うなら、それなりの期間とコストを要求されたりします。協業パートナーを見つけたいと考えてもコンタクト方法が分からない、といった課題もあります。

 こうして、知らず知らずのうちに実現性に乏しく大きな投資がかかりそうな、利益が出せるかどうか分からないプランとなっていくのです。

 新規事業の推進担当者として、事業部門として、これを前に進めていくにはどうすれば良いのでしょう?

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進めるためには、それぞれの経験者に頼ろう!

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この記事の著者

西村 大輔(株式会社DNTI)(ニシムラ ダイスケ)

アクセンチュアでキャリアをスタートし、日立コンサルティングの立ち上げ、日本IBMなどで30年にわたりビジネスコンサルタントとして活躍。コンサルタントとしては、消費財、電気、化学、食品、日雑、文教、通信業界など、幅広い業界における、全社業務改革、グループ/グローバル経営管理、大規模なCRM/ERP導入...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/2899 2024/09/20 11:00

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